2.16外務省シンポジウムの補足

Date: Thu, 16 Feb 2006 17:32:25 +0900
パネル討論で一言いい足りなかったこと。
二項対立の質問がありましたが、【日本生態学会生態系管理専門委員会が】自然再生事業指針を作る際に、委員長から「二項対立の議論をやめよう」と最初に申し合わせがありました。また、持続的利用が達成しづらいような状況では「一時的な禁猟」も有効な選択肢だとハットンさんが指摘しましたが、同感です。サイモン・レヴィンは「持続不可能性」の中で信頼関係を築けという戒めを提案しましたが、「信頼関係を作り、有効な管理方策を合意するまで禁猟」という選択肢は有効だと思います。これは絶対反対よりもむしろ有効です。そして、合意したらそれを実行することが大切です。IWCのモラトリアムは本来そうしたものでした。しかし、せっかく合意したのにそれを実行しないという態度をとりました。残念ながら、これでは信頼関係を作ることはできません。合意したRMPは捕鯨者にとってたいへん厳しいもので、実行すればたいへんな重荷になるものでした。それを実行しないことを反捕鯨団体は成功と思っているかもしれませんが、彼らは信頼を失ったのです。
 パネル討論で私は現場の人を褒めることが大切といいました。合意したものを実行していけば、たとえそれが完全なものではなくても、実行する中で学ぶものがたくさんあったはずです。鯨で合意したRMPを他の漁業管理にも求めることもできたはずです。
 絶対反対ではなく、両者に妥協の余地を残した判定が重要だと思います。
 ある事業に対して自然保護団体が反対したとき、自然保護団体の一部は事業者を責め続けました。責め続けている限り、事業者は妥協しませんでした。私は「我々の目的は事業者を責めることではなく、自然を守ることである」といって説得しました。その結果、事業者は「名誉ある撤退」を得て、我々は自然を守ることができました。二項対立を避けるとはこのようなことだと思っています。

3・10公開シンポジウム案

Date: Wed, 11 Jan 2006 12:00:01 +0900
○○様 いつもお世話になります。
 【】たいへん唐突なお願いではありますが,可能ならば、お知恵とお力を拝借いただけないでしょうか?
 いつも資源学、生態学の立場から資源管理の問題に取り組んでいますが,日本の漁業を守るには,経済的視点と国際法自由貿易)の視点が必要だと感じています。幸い、私が2年前に着任した横浜国大には【】を始め,海洋分野に取り組む社会科学の専門家がいる数少ない大学だと思います。そこで、このような取り組みを本学から始めたいと○○教授に相談したところ,下記のような素案となりました。
 というわけで、まだシンポジウムタイトルも含めて修正も可能です。専門家の視点から、実りあるシンポジウムになるよう、趣旨や講演者の構成を提案いただければなお幸いです。よろしくご検討のほど、お願い申し上げます。

横浜国立大学公開シンポジウム(案)

  • 「持続可能な漁業と自由貿易を考える」
  • 主催 H17年度横浜国大教育研究高度化経費「人間生態系の次世代デザインの構築」
  • 共催 交渉中
  • 日時 2006年3月10日(金)=予定
  • 場所(横浜国大教育文化ホール)

 プログラム案、趣旨説明(案)
参加希望者は 小岩 までお知らせください。

第37回北洋研究シンポジウム(案)

Date: Mon, 9 Jan 2006 12:26:29 +1200
http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2006/060306FO.html
知床世界自然遺産:氷縁生態系の保護管理と持続的漁業
共催:北大水産科学研究科・水産海洋学
コンビーナー:桜井泰憲・帰山雅秀(北大院水)・松田裕之(横浜国大)
時期:18年3月6日(月) 9:30−17:30
場所:北海道大学水産学部・講義棟・大講義室 (函館市港町3-1-1)
プログラム(案)
挨拶:渡邊良郎(水産海洋学会会長)9:30-9:40
趣旨説明(背景を含めて):桜井泰憲 9:40-10:00
1.海洋環境と生態系の特徴    座長:桜井泰憲
(1)知床世界自然遺産:登録の経緯と残された課題 星野一昭・吉中厚裕(環境省・釧路)10:00-10:30
(2)オホーツク海:特に沿岸の海洋環境 三宅秀男(北大院水) 10:30-11:00
休憩(11:00-11:15)
(3)オホーツク海生態系のモデリング 岸 道郎(北大院水)11:15-11:45
2.水産資源の持続的利用  座長:佐野満廣(稚内水試)
(4)知床半島周辺海域の漁業と水産資源(陸棚) 石田良太郎・鳥澤 雅(釧路水試)・志田 修(函館水試室蘭支場)11:45-12:15
昼食(12:15-13:15)
(5)知床半島周辺海域の漁業と水産資源(沿岸) 西内修一(網走水試)13:15-13:45
(6)サケ・マス資源と沿岸環境 永田光博(道ふ化場)13:45-14:15
3.氷縁生態系の保護管理    座長:山中正美(知床財団)
(7) 陸域―海域生態系の相互作用:サケ類を例として 帰山雅秀(北大院水)14:15-14:45
休憩(14:45-15:00)
(8)高次動物の保護管理:アザラシ類 小林万里(北の海動物センター)15:00-15:30
(9)北海道周辺海域のトド:漁業との軋轢と管理の現状   山村織生(北水研)15:30-16:00
4.生態系の保護管理と漁業との共存  座長:帰山雅秀
(10) 魚と漁業を守るための知床海域管理計画とは 松田裕之 16:00-16:30
(11) 海域生態系の保護管理に向けた漁業制度の課題 牧野光琢(中央水研)16:30-17:00
5.総合討論 コンビーナー 17:00-17:30

2.16 予防原則国際シンポジウムのお知らせ

国際シンポジウム「海洋生物資源管理の最近の潮流:持続可能な利用と予防的アプローチの適用」 外務省HP
2.開催日及び場所等
(1)開催日:平成17年2月16日(木)13:00-17:30
(2)場所:三田共用会議所講堂(約180名収容可能)
(3)共催者他(予定):比較法文化学会
プログラム(案)
(司会)佐藤安紀子(ウーマンズフォーラム魚)
(開会の辞)岩藤俊幸 外務省漁業室長
ジョン・ハットンIUCN持続的利用専門家グループ議長「自然資源の保全と持続可能な利用」
ロージー・クーニーIUCN予防原則プロジェクト・コーディ ネーター「自然資源の保存管理における予防原則
松田裕之 横浜国立大学大学院教授「水産資源の持続可能な利用と予防原則
パネルディスカッション(モデレーター:金子与止男(社)自然資源保全協会企画部長)
会合後、カクテル・レセプション

環境リスク管理のための人材養成プログラム特別講演

Date: Tue, 6 Dec 2005 03:58:31 +1200
受講生各位
 特別講演会での熱心な質問ありがとうございました。以下の課題を提案させていただきます。レポート期限は事務局より指示があると思います。
課題)横浜国大COEで提案している「生態リスクマネジメント手続きの基本形」の流れ図を参考に、実際に行われている生態リスク管理(環境影響評価や自然再生事業などを含む)の事例を一つ調べて、この流れ図にどの程度当てはまっているかを考え、その事例の改良すべきと思われる点、あるいは上記流れ図の問題点を論述しなさい。事例としては講義の際にあげた愛知万博環境影響評価、エゾシカ保護管理計画、知床世界遺産管理委員会、ヒグマ保護管理計画、許容漁獲量(TAC)制度などでもよいし、その他の例でもよい。
 難しいとは思いますが、厳密な資料を調べなくてもよいですので、ご健闘を祈ります。