0.4羽の衝突死リスク

Date: Wed, 21 May 2014 09:41:19 +0900
 根室のフレシマの風発事業に関して野鳥の会が反対声明を出したそうです。
http://www.wbsj.org/activity/press-releases/press-2014-05-19/
 事業者側だけでなく反対する側も定量的な衝突リスク評価を行いだしたことを歓迎します。
 ただし、「(オジロワシなどが)年間平均0.39羽、最大1.01羽が風車に衝突する恐れがある」という衝突リスクを反対の論拠にしたことに注目します。事業者側はまだ予測値を出していませんが、再生可能エネルギーの推進に比べて、どこまでの衝突リスクが社会的に受容されるべきかも、今後議論になると思います。(ゼロにすることはできません。安全神話を語ることも、安全神話を求めることも避けるべきでしょう)
 以前、福井県あわらの風発では、風発施設を天然記念物のマガンが通過する頻度に事業者と野鳥の会で見解の差があり、事業者側調査なら年平均1羽未満だが野鳥の会調査なら約20羽あたる恐れがあるという試算になりました。建って3年以上になるが、幸い、まだ1羽も衝突報告はありません。
 そもそも、風車を建てる前に予定地を飛んでいても、風車がたてば見て避けます。十和田十三湖環境省は避けないと仮定してガンが1000羽以上当たるという大臣意見を述べたが、実際の衝突リスクはそれよりはるかに低いでしょう。
上記のリスクもデンマークの洋上風発の回避率(99%以上!)を借りて計算していますが、実際の回避率は建ててみなければわからない。回避率は立地やどう風車を建てるかによって大きく左右されます。したがって、回避率の差を考慮しないで「3番目に高い」といっても、本当に衝突リスクが高いとは限りません。上昇気流のある崖のそば、餌場で餌を発見した時に風車を「忘れる」など、衝突する理由はある程度限られているでしょう。それらの知見は、すでに衝突している風車から得られつつあります(オジロワシ衝突の瞬間の動画は、別の要因を示唆しています)
 野鳥の会が用いた由井・島田モデルは、施設内の飛翔頻度からリスクを計算します。下記の文書によると、施設内の飛翔頻度の平均では0.4羽、飛翔頻度の高いところに風車を建てた場合に1羽を超えるとあります。実際には、稼働率を確保しつつ、飛翔頻度の低いところに建てることが環境影響評価で推奨されるはずです。
 あわら風発もそうでしたが、本当にリスクが高いところならば稼働率を下げるなど順応的管理を行うことを約束すれば、リスクをさらに減らすことができるでしょう。まず、実際によく当たっている風車への対策を求めるほうが先だと私は思います。

ワークショップの件

Date: Mon, 18 Feb 2008 20:07:59 +0900
 ワークショップ、楽しみにしています。
 手短(25分程度)で「風力発電施設と自然環境保全に関する研究会」での発表内容と議論の様子、先日この研究会で視察した欧州の視察について紹介させていただきます。
 それから、すでに伝わっているとおもいますが、あわら市の風発計画が抽選の繰り上げ当選になったようです。おそらく、野鳥の会としては反対の立場をとり続けると思いますが、この衝突リスク評価の話と、今後の見通し(事業者が事前に何をどう約束し、建設した場合にどんな事態が想定されるかについての松田の見解)についても紹介させていただきます。

Date: Sat, 21 Jun 2008 20:50:03 +0900
あわら風発は【ゼロリスクにこだわる】加賀市長がかたくなに反対していますが、少し時間がかかりましたが、進むでしょう。その代わり、【環境影響】事後評価の時間が短くなってしまいました。

7.7  あわら風発シンポジウム ビデオ

Date: Tue, 4 Sep 2007 13:02:49 +0900 (JST)
関係各位
7.7にあわら市で行った「風と生き物のシンポジウム 風力発電と自然との共生を考える 」の地元ケーブルテレビで放送された録画を下記サイトに置きました。http://risk.kan.ynu.ac.jp/sugimoto/awara07.html
私のサイトにも置きました。
http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2007/070707_presentation.wmv 発表編
http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2007/070707_discussion.wmv パネル討論
発表編では、1時間11分ころから、私の報告があります。あわら市に感謝します。

マガンの衝突リスク

Date: Thu, 19 Jul 2007 07:07:19 +0900
 さて、野鳥の会の去年のマガン飛翔図を見ると、大群(1000羽以上)は2回ともに予定地を掠めたものです。今年の例もそのようです。距離を目視で見るには観察地点などのデータも必要ですが、【3基】以上の風車に衝突しそうな例はありません。より詳しいデータは、野鳥の会が公表されると思います。だとすれば、野鳥の会のデータどおりだとしても、リスクは年間30羽余りからその約【10分の1】に減るでしょう。
 どちらの飛翔頻度がより真の値に近いかは、追跡調査をすれば明らかになるでしょう。
 より低い頻度で、大群が予定地の真ん中を通るかもしれませんが、それはどちらも見ていない。
 いずれにしても、衝突リスクが高い場合には、風車を止めるなどの対策が可能です。これは、他の風発よりもずっと解決しやすいリスクです。

風力発電施設と自然環境保全研究会論点整理(案)について

Date: Sat, 9 Jun 2007 11:37:42 +0900 (JST)
風力発電施設と自然環境保全研究会論点整理(案)について、拝見しました。率直に言って、ほとんど私の主張は反映されていませんね。*1
1)「RPS法が定めた数値目標、これをどうやって達成するか。まず、これを出発点に置いて議論をすべきである。」【×】
・私はこれは当然だと思っています。うやむやに議論することは建設的ではありません。そうでないと、すべきことが見えてきません。【】「さらに、このRPS法の数値目標にとどまらず、例えば前回、岡安委員がおっしゃったことですが、日本において2020年までに自然エネルギー10%を導入するというような、より高い数値目標を掲げるということも重要」【×】
・今回のサミットの半減目標により、この重要性は現実味を増したと思います。【×】
2)「自然環境への配慮というのも国策であります。これを全部民間企業に丸投げということでは、環境にやさしく、しかも風力もつくるというふうにはなかなか進まないという現状があります。」【×】
3)「鳥の事故死のうち風車はごくわずかである・・・例えばオジロワシが当たったというとき、なぜ風車に当たったときだけ記者発表するのか。これは私はおかしいと思います。・・・公平・公正さが非常に重要である。ですから、もし発表するのであればすべて発表していただきたい。これは強く申し入れます。」【○】
4)「それがほんとうに風車という温暖化防止のエネルギー源の開発にとって、このクマタカのエリアを全部押さえろとか、そういう必要があるのかということはもう一度ご議論いただきたいと思います。」【△】
5)「【抽選】はやめていただきたい」【×】
6)「国【は】事業者にできない、まず長期総合調査を行うべきである。先ほどのノスリのようなデータ、これもぜひクマタカイヌワシあるいはオジロワシ、そういうものについていただきたい」「鳥の絶滅リスク評価に使えるような全国調査、これは当然環境省がやるべきです」【△】
7)「事前に合意形成や努力した事業者が評価されるようなインセンティブのある行政施策を考えていただきたい」【×】
8)「環境省地球環境局も含めた3者の連携をもって議論していただきたい」【×】
 ほかにもありますが、私の提案した論点をどれだけ取り上げたかという点では、【最終案では10点+5点×2=20点】です。
 もう少し、考慮いただけませんか。

*1:第4回会議は欠席したが最終的な論点整理ではもう少し改善された。最終案に基づく採点を【】内に示す。ぜひ、第3回会議議事録をよく読んでいただきたい。私だけでなく、保護団体も含めて建設的な議論が行われていたこと、それが論点整理にほとんど反映されていないことがよくわかるだろう。これは最終的な合意事項ではなく、論点整理である。つまりここに列挙した私の提案の多くは論点にすらされなかったということである。

7.7あわら風発シンポジウムのお知らせ

7月7日に下記のシンポジウムを福井県あわら市で開催します。関心ある方の来場を歓迎します。
 下記シンポジウムでテーマとなる風発と鳥衝突のリスクトレードオフ解析も、このCOEのテーマに沿うものとなるでしょう。

風と生き物のシンポジウム〜風力発電と自然との共生を考える〜
 21世紀に暮らす私たちは、電気製品や自動車などを使いこなし、豊かで便利な生活を送っています。しかし、こうした快適さは、その基盤となる自然環境に大きな影響を与え、温室効果ガスによる地球温暖化、大気汚染などといった問題を引き起こしています。
 地球規模で環境破壊が進み、私たちのライフスタイルさえも見直しを迫られつつある中、二酸化炭素を排出しない風力発電は、太陽光発電バイオマス発電などとともに、地球に優しいクリーンなエネルギーとして注目を集めており、我が国はもとより、世界各国で導入が進められています。
 しかし、一方で、風力発電施設が、自然環境、特に野生生物に及ぼす影響を懸念する意見も一部にあります。
 このシンポジウムは、あわら市北潟で計画が進められている風力発電事業の概要を紹介しながら、風力発電施設が水鳥をはじめとする野生生物に及ぼす影響などについて、研究者の皆さんに意見交換をしていただくことにより、参加者みんなでエネルギー政策の展望と自然環境の保護のあり方を考えようという目的で開催するものです。
 皆さんの参加をお待ちしています。
□日時 平成19年7月7日(土) 13:20〜16:30(受付13:00〜)
□会場 あわら市観光会館 福井県あわら市舟津7-65(?0776-77-3455)
□プレゼンテーション
    電源開発株式会社
    財団法人日本野鳥の会
    株式会社ジェイペック
    横浜国立大学松田研究室
□パネリスト&コーディネーター(敬称略)
    岡  敏弘(福井県立大学経済学部教授)
    松田 裕之(横浜国立大学大学院教授)
    大河原恭祐(金沢大学大学院自然科学研究科助手)
    天野 達也(独立行政法人農業環境技術研究所研究員)
■主催 あわら市
■後援 経済産業省環境省福井県

野鳥の会会報4月号の表紙

On Fri, 8 Jun 2007 19:52:20 +0900
http://www.wbsj.org/nyukai/magazine/2007.html
上記に4月号表紙が見えますね。
5月号に載った感想を見てもわかるように、野鳥の会は反風発団体となりつつあるということでしょう。