外来種のリスクとは

Date: Tue, 16 May 2006 16:39:15 +0900
○○様 たいへん勉強になりました。ますますのご活躍に期待しています(以下、転送自由)

  1. リスク評価にはエンドポイントを明確にする必要がある。それなしに「リスク」という言葉だけを「よそいき」につかうと、かえって中身が見えなくなる。
    1. 「侵入」「野外逸出」「野生繁殖」「分布拡大(定着)」などの段階に分ける。
    2. 一つ提案として、リスクの前に「○○リスク」などと常に意識して特定してはどうか。その際に、どのような現実的な対策を立てるかも意識してほしい。
    3. 感染リスクのある宿主も規制すべき(外来生物法の限界)
  2. 全体を統一したロジックで貫き、その元で個別の問題を具体的に論じてほしい。
  3. リスク評価を行うには、確率論的議論が必須。平均値で測れないものをリスクで測る。また、ハザード(発生したときの重大さ)とリスク(発生確率を含めた指標)を分ける。
  4. 相互議論の推進。特に、統計学と各分類群の専門家間の交流が必須
  5. 【将来に向けて】社会経済的な議論、環境倫理的法学的な議論と生態学的議論の交流の仕方を準備してほしい。 その意味では【外来種問題は、まさにglobalizationの中の問題という点で、地球環境問題なのです】。
  6. 順応的管理の視点をが必要。予測困難というだけでなく、仮説検証型の管理、継続監視と管理方策、費用対効果や合意形成の実現性も含めた議論が必要 
  7. ぜひNatureなどに投稿してほしい。基礎研究の成果と連動した形で政策提言を行うことが重要。