評価者の責任

Date: Fri, 14 Jul 2006 10:21:44 +0900
皆様 率直に申します。
 ○○について「昨年の評価で楽観的な将来予測をしていたことが問題になっているようですが、そのおもな原因は、たまたま2005年の加入が予想より少なかったことではなく、2004年級群の過大評価であろうと思います」という○○さんのご指摘は、おそらくそのとおりなのでしょう。
 そうだとすれば、このような評価は漁業者と社会の信頼を大きく損なうと思います。
 水産庁も、資源評価を元に漁業者に管理の必要性を説得していたはずです。それが、1年くらいの「計算誤差」で10年後までの目標が崩れるような評価をしていたとなると(まだ本当にそこまで頑健性がなかったのかは私には異論もありますが)、それを漁業者に納得しろというほうが無理というものです。これは彼らの生活に係るものです。
 水研の評価表は、間違えたから翌年訂正するで済むものだとすれば、真剣勝負としての使命感に欠けていると思います。そのようなものを漁業者に信じろといっても、無理でしょう。
 もちろん、そのような評価を認めてしまった我々にも責任があります。
 どのような間違いを犯したのか、方法論に関するものか、だとすれば不確実性を十分に組み込んでいるべきところ、組み込んでいなかった(すなわち、「不測の事態に備える順応的リスク管理」の手法を取り入れず、従来型の「机上の空論で数字を出せばよい」という世界にとどまっていた)ということでしょう。
 計算結果がどうであれ、責任を取るのは評価者であり、最後は評価者の決断です。責任ある決断を取られることが必要です。