自然再生と順応的管理の鉄則

Date: Fri, 18 Aug 2006 11:49:51 +0900
○○委員会の 皆様
財団法人 リバーフロント整備センター「川の自然再生」セミナー 第4回順応的管理の技術と方法 9月12日 10:10-11:10 発明会館 で講演します。
「順応的管理の考え方」松田裕之 講演要旨案*1。ご参考まで。
順応的管理の七つの鉄則

  1. 用いた仮説を明記すること
  2. 方策の変え方を予め決めておくこと
  3. 評価基準を定めること
  4. 不確実性を考慮したリスク管理を行うこと
  5. 想定内を増やすこと
  6. 信頼関係を築くこと
  7. 現在の判断が間違いかも知れないと自覚すること

 なお、プランクトン・ベントス合同学会大会では下記の講演をします。褒めてあげたい自然再生事業と”してはいけない”八つの戒め上記と重なりますが、そのときに褒めるべきものとしてはいけないものの案は以下のとおりです。
① 事業計画は薄くする。資料は詳しくて良いが、本文は要点を絞って書く。
② 協議会の人数は増やし過ぎない。適切な分野の専門家を招く。
③ 科学委員会を組織する。(協議会に招くよりも、別に組織する)
④ 全体構想案をパブコメにかける
⑤ 信頼関係を築き、参加者が楽しめる事業にする。
⑥ 関わりの程度に応じて協議会メンバーの役割分担を決める。(≠悪平等
⑦ 土地問題、既得権益を適切に解決する
⑧ 事業計画を見直す時期と方法を明示する
⑨ 専門家が積極的に協議会を褒める。
⑩ 全体計画において長期目標・抽象的目的(理念)を合意する。
⑪ 事業計画を具体的に記す。実現可能性を吟味する。
⑫ 再生すべき自然が損なわれた要因を示す
⑬ 過去の生物相記録、絶滅した種のリストを作る
 逆に、「してはいけない」8つの戒めをレヴィン(2003)に習い、私なりにまとめたので紹介する。
①手を広げすぎるな、
②一通りだけの未来を描くな、
③来年自分が何を言うかの想定を怠るな、
④目的や基本計画の合意なしに事業計画をつめるな、
⑤科学委員と利害関係者を混同するな、
⑥二項対立に陥るな、
⑦事実を無視して思想(理念)に走るな、
⑧予算を無視して議論をするな。

*1:リンク切れ修正