Date: Sun, 15 Jul 2007 09:56:02 +0900
無事、神戸空港に定刻に到着しました。
http://d.hatena.ne.jp/hymatsuda/20070608/1181211703
上記に掲載した岸さんの主張に対する下記の質問にお返事します。
1.第二の危機の問題は、中山間地区の特に過疎地域において、農業などの人間の営みが衰退しているところに限定した問題であって、都市地域においては、当たらない。・・・
2.現在の都市近郊の谷戸地域は生物多様性が高い。谷戸低地の環境の生物多様性は、畑<乾田<湿田<休耕田であり、現在の休耕田のままの方が生物多様性か高い。・・・
以上の2点は、保全生態学の立場から一般的に正しい主張と考えていいのでしょうか。
【】現時点での私の意見を申します。
1。生物多様性国家戦略に記された第2の危機(Underuse)の問題の多くは、「中山間地区の特に過疎地域において、農業などの人間の営みが衰退しているところに限定した問題」だと私も思います。そのうち、今後「放棄」する場所もあり、そこは奥山とみなした措置が必要だろうという生態学会自然保護委員会の意見もあります。
自然再生という名目で行う「第二の開発」が都市近郊だけの問題かといえば、おそらく、中山間地でも、奥山でも、似たような「不適切な事業」(端的には、「自然の回復力を生かす」Passive restorationという日本生態学会生態系管理専門委員会の自然再生事業の原則を無視した事業)があると思います。茅ケ崎の柳谷(やなぎやと)の県立里山公園の例は、都市近郊だから中山間地域とは違うというよりは、全国どこにでもある土木工事に端を発した例といえるかもしれません。
2.谷戸低地の環境の生物多様性は、畑<乾田<湿田<休耕田であり、現在の休耕田のままの方が生物多様性か高いかどうかという点ですが、ご指摘通り、水田のほうが休耕田よりも畔や周辺を含めれば多様性が高いという意見が多いようです。しかし、それらの維持形態に大きく依存するように思います。【】