生態系アプローチの社会選択について

Date: Sun, 5 Apr 2009 10:06:55 +0900
社会選択については、私は下記のようにまとめています。
生物・生態環境リスクマネジメント手続きの基本形(案)http://ecorisk.ynu.ac.jp/matsuda/2005/TMReportA.html
または 松田裕之ほか (2006) 生態リスクマネジメントの基本手順と事例比較. 生物科学.
58:41-47.
浦野絋平・松田裕之編著(2007) 生態環境リスクマネジメント. 第4章リスクマネジメントの基本手順、オーム社.
Rossberg AG, ほか(2005) A Guideline for Ecological Risk Management Procedures. Landscape and Ecological Engineering 1:221-228

たとえば、目的を水産資源の持続的利用に限るのか、沿岸の環境保全も含めるのか、さらに先住民の権利をどこまで保護するかなどは、社会が選択すべきことで、生態学者が決めることではありません。また、乱獲された資源について10年後に資源量をどこまで回復させるかは、社会が決めることです。
 しかし、目的や目標を決めれば、それを達成するための方策は生態学的に絞り込めます(技術開発も含む)。そのため、社会的合意形成と科学者の助言とを分け、その間のキャッチボールが必要だと思い、上記の基本形を提案しました。」

Date: Mon, 6 Apr 2009 11:30:07 +0900

「合意形成」と言って業界の合意を取り付けることばかり考えている水産庁の姿勢は納得できません。

 はい、【資源管理の合意に漁業者だけでなく、消費者や市民まで含めるべきだというのは】おっしゃるとおりです。(水産総研センターの報告書に盛り込んだかどうかは未確認)

「研究者が正確な評価や予測をしないので適切な管理施策を行えない」と水産庁は言います。

 えー!水産庁にはこんなことを言っている人がいるのか。商業捕鯨に反対する反捕鯨団体と同じですね。順応的管理はIWCが育てたものです。