科学万能論批判と自然保護

Date: Sun, 2 Jan 2011 10:14:26 +0900
 少なくとも化石燃料(特に石油と天然ガス)は有限な資源であり、これを一部の国、人、時代が大量消費するのは良くないと思います。その意味で、脱炭素社会に賛成です(原発はなお悪いと思っていますが)。地球を壊すからというよりは、人間自身の首を絞めないようにするために。第6の大量絶滅の時代といいますが、過去の大量絶滅とは比較になりません。しかし人類には死活問題です。
 それが温暖化防止という一つの指標のため、フロンもCO2もメタンも全部一緒に規制するというのは、私は距離を置きます(何もしないよりは、これでも良いとは思いますが)。生態負荷(Ecological Footprint)には炭素負荷も生態影響も入っているので、そちらのほうがずっと良いと思います。
 昨夏は猛暑でしたが、温暖化のせいとは喧伝されませんでした。面白い報道現象でした。その前が厳冬で、自然の力は人間よりはるかに大きいことが実感できました。「限界」集落などでクマが出没し、人間が野生鳥獣に負け始めていることも実感できました。人間が地球環境を変えられる、人間が「か弱き」地球環境と野生生物を守れるという「傲慢」な考えを、人間中心主義、科学万能論を批判する人々がもつことは、ある意味面白いことです【】。
 私は、シカもクマも完璧に管理できると思っているわけではありません。しかし、手をこまねくのは良くない、手を下すなら、科学者が合理的な解を出すほうが良いと思っています。