海への今後の放出の懸念

Date: Wed, 8 Jun 2011 13:32:10 +0900
ありがとうございました。
 今までの大気への放出はCs-137で12PBq程度で、そのうち半分以上が海に降下するとすれば、直接海に放出(漏洩)したCs-137はそれより低い。しかし、前者は沖合いまで広く拡散して濃度は低く数十Bq/L程度である。原発近海での基準値を超えるような高濃度は後者(直接放出)によるのですね。
 最悪の事態として、建屋内には、まだ高濃度汚染水が20PBq(Cs-137だけではない)あるそうです。今までの放出より桁違いに多い。
 その対策ができずに、しかも海に全部放出されると、海と水産物にとっては「原発事故以上」の大変な事態です。この認識は変わりません。
 その放出を完全に抑えられそうな雰囲気は、報道を見る限りありません。いかにも、「あふれてしまった」と後日言いそうな伏線を感じます。しかし、たとえば「最悪の場合でも今までと同レベルに収める」という数値目標は現実的な目標です。絶対に守っていただきたい。
 それが守られるという専門家からの意見が聞こえてくればよいのですが。
 今、原発近海の水産物はほとんど売れていません。その必要はないというのが私の見解です。もし、今までの2倍以上の漏洩が起きた場合、十二分に安全だ(毎日平均80gずつの福島近海の水産物を食べることによる年間摂取が0.1mSv以下である!)という私の見解が変わる恐れが出てくるでしょう。その場合、どこまでリスクが増えるかは流出量によります。
別件ですが、BS海外ニュースでは、日本政府は「高齢者から特攻隊員を募った」という非難を恐れていると報道されていますが、今はそれどころではありません。ここでも絶対安全かこの世の終わりかという二項対立で議論している。「特攻隊員」という表現はさておき、高リスク被曝覚悟の作業員をお願いすることは現実的であり、大事故の際のIAEAの国際見解「自主的に申し出た人には被曝量の上限を定めない」に合致しています。今が緊急時であり、リスクを伴う作業が必要だという認識が必要です。