標記拙文の補足です。
- JAZAも追い込み漁で生け捕りにした野生個体を利用しないという提案を受け入れた https://www.jaza.jp/statement
- 日本のいくつかの水族館がJAZAから脱退した(朝日新聞2017年4月3日 ) https://www.asahi.com/articles/ASK435TK1K43TIPE036.html
- シーワールド水族館はシャチのショー自体と飼育個体の繁殖を取りやめた https://behindthethrills.com/2019/10/seaworld-pledges-to-end-theatrical-orca-shows-by-end-of-2019/
- 和歌山県:太地町でのイルカ漁業に対する和歌山県の公式見解(English)https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/071500/iruka/index.html
- タイセイヨウクロマグロは2010年頃には「あと数年で枯渇する勢い」と言われ(図1)、ワシントン条約で禁輸に相当する附属書I掲載が動議されたhttps://www.wwf.or.jp/activities/activity/2853.html
- 大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)報告書https://www.iccat.int/Documents/Meetings/Docs/2017_BFT_ASS_REP_ADD_ENG.pdf
- 生物多様性と生態系サービスに関する政府間科学技術プラットフォーム(IPBES)の2018年の報告書 には、「2048年までには利用できる漁業資源がなくなる可能性がある」と記されている。https://www.env.go.jp/press/105290.html
- ワーム博士らの2006年の論文に基づくが、彼自身は2009年に「世界の漁業の再建」という論文を書き、事実上2048年枯渇説を自己否定している(松田『海の保全生態学』http://www.utp.or.jp/book/b306469.html
- ネコの扱いについては、現在もなお、欧米でも深刻な対立が起きている。愛猫派はネコの放し飼いを許容するが、特に天敵のいなかった島嶼でネコが野生鳥獣を捕食して絶滅リスクを高めている多くの事例があり、国際自然保護連合はイエネコを「世界の侵略的外来種ワースト100」に入る外来捕食者に選定している(松田書評 16頁)。http://www.esj.ne.jp/esj/newsletter/No49.pdf
- 2000年代半ばから、漁業者の自主管理も含めた共同管理(co-management)という概念が普及しつつある(牧野光琢2017)https://www.jstage.jst.go.jp/article/suisan/83/6/83_WA2444-7/_pdf
- 先住民を追い出して自然保護区を作るようなやり方は戒められるようになり、科学知だけでなく先住民の地域知(ILK)が環境問題において重視されるようになった。(岩井雪乃『ぼくの村がゾウに襲われるわけ。』合同出版https://www.godo-shuppan.co.jp/book/b474126.html、關野伸之『だれのための海洋保護区か』新泉社 https://www.shinsensha.com/books/736/ )
- 漁業に関する主要な国際環境団体の主張は、禁漁から持続可能な利用に変わったが、捕鯨問題や象牙問題(松田『論座』 )では、いまだに持続可能な利用ではなく、絶滅リスクが低い種や個体群も含めて、利用そのものが否定される傾向にある。https://webronza.asahi.com/science/articles/2019083000003.html
- 札幌市のヒグマの例(松田『論座』 )でも、先の象牙問題で触れた絶滅危惧とされる東アフリカのアフリカゾウでも、スリランカのアジアゾウでも、野生動物は保護するだけでは人間と共存できず、人間に害をなせば駆除することがある。しかし、過剰な保護の弊害を目にしない遠方の人々が、その駆除や資源としての利用を非難する構図がある。https://webronza.asahi.com/science/articles/2019073100002.html
- 日本では「上から目線」という言葉がよく使われるようになったが、異なる思想を「遅れた」とみなすことは「欠如モデル」に繋がる。(種村剛 http://tanemura.la.coocan.jp/re3_index/2K/ke_deficit_model.html )
- キリスト教にはスチュワードシップ思想があり、自らを神の代理人として環境正義を遂行しようと考えてがいるのかもしれない 小原克博(1998)「神の像」に関する一考察:フェミニズムとエコロジーへの応答.日本の神学37: 33-54, http://www.kohara.ac/research/1998/09/article199809a.html
- 知床世界自然遺産登録の顛末は国際コモンズ学会のケースストーリーに「日本の沿岸漁業の共同管理」と題して選定されている 。 https://iasc-commons.org/cs-Comanagement-Japanese-coastal-fisheries/