クロマグロの未成魚と産卵親魚、どちらを保全すべきか

Date: Sat, 29 Jul 2017 12:44:20 +0900
 標記、ざっと計算してみました。詳しい説明と補足と修正は【後日】。【漁獲係数を年ごとでなく】夏季と冬季を分けてくれたので、半期ごとの収穫価HVと繁殖価RVを計算【できました】。
1)現状(2002-04)【の漁獲係数から収獲価HVと繁殖価RVを年齢別に求め、それを魚価Pと比べると】3.0歳まではHV>Pであり、【その年齢で獲るより獲らずに大きくなってから漁獲できることを期待するほうが漁獲金額の期待値が高い。したがって】未成魚漁獲は「成長乱獲」になる。
2)持続可能な漁業【のためにどこまでSPR(加入当たり産卵量)を残せばよいか】は初期生残率と体重と産卵数の関係が不明なのでわからない。そこで、%SPR【漁獲があるときのSPRと漁獲がないときのSPRの比】を使う。現状では%SPRが【10%未満と極めて極端な乱獲状態】となりました。
3)%SPRを>40%という【持続可能性に必要と考えられる】制約を課して、0歳のHV(金額YPR)を最大にする漁獲方針【を求めました。詳しくは松田「生態リスク学入門」11章参照】。【未成魚の間は】冬もとらず、5歳の冬からとれという【のが、加入あたり漁獲量YPRを最大にする漁獲方針の】案です。
4)この時の漁獲金額(YPR)は【現在のコホートと比べて】大差ない(資源が回復すればずっと多くなる)。

Sent: Monday, July 31, 2017 12:57 PM
 ご推察通り、【上記の】未成魚の価格は生鮮流通の価格で計算しています。【】未成魚をとった時の繁殖価は畜養でも同じだが、成長させて売るならば、価格が違います。【】
 養殖についても、価格(1尾あたり魚価と市場全体の販売尾数)がわかり、かつ生簀内の死亡率などがわかれば【】、すぐに計算できると思います。

07/31 (月) , 14:55
 【】用いた数字の素性に関してはいろいろな意見があることを踏まえて、結果を議論すればよいと思います。
1)おそらく、それなりの歩留まり(市場に出すまで)があれば、(売れ残らなければ)畜養はもったいないことにはならないと思います。
2)そのうえで、小型魚の何割が養殖に回っているのか(養殖でないものは、【】魚価が安くてもったいない。売れ残りは論外)
3)畜養されたものの真の効率(エサ台、歩留まり、市場での実際の売れ行き)を議論すればよいと思います。

07/31 (月) , 15:07
 産卵期でも、繁殖価はそれほど変わりません(せいぜい何割か増し程度)。問題は魚価が低いのにたくさん獲ることだと思います。また、一方で禁漁している漁業者がいるのに、それを無視して獲るのは軋轢を生むでしょう。しかも、産卵期に獲る巻き網漁業は小型魚も大量にとっていると思います。それは大きな問題でしょう。
 禁漁している漁業者としっかり対話した上で、産卵期でもしっかり畜養するならば、それほど悪くはないと思います。

07/31 (月) , 16:07
未成魚漁獲【】中の【1割足らず】が養殖に回る(あとは鮮魚)ということでしょうか。それならば、やはり未成魚を獲るのは問題でしょう。しかし、【畜養に回す比率は】漁業者にもよるということかもしれません。畜養まで目の敵にするつもりはありません。畜養自体の歩留まりとエサ代を考えること。それでも出荷品が全部売れるなら問題は少ないかもしれない。しかし、【大量に】売れ残っているなら【】鮮魚流通と大同小異。それは経営上もまずく、資源に負荷をかけすぎて儲けもない【のでしょう】。
 だいぶ見えてきました。どちらの言い分にも一分の理があるが、全体として資源を乱獲している状態を変えねばならない。そのために何が最も問題か、計算すればわかることではないだろうか。

Date: Tue, 1 Aug 2017 17:38:52 +0900
 【Unfished資源量の推定値は自然死亡係数】Mの置き方にもよると思います。【現状はUnfishedの3.6%という】数字までは、にわかには信じがたい。しかし、Mの値をいじっても、おそらく3歳魚くらいまでは獲らない方がよく(養殖を除く)、夏に獲るのはもったいないという結果はほとんど変わらないでしょう。
 不確実な前提を変えて、変わる結論と変わらない結論があります。数字は変わると思います。
 【戦前はマグロ類を水揚げ前にかなり投棄していたという話】はマグロ類(かTuna like)全体の話ですよね。クロマグロをどこまで捨てていたかは、もう少し情報がほしいです。本当に 累積漁獲量<資源量減少幅 かどうか、そしてそれがあり得るかどうか、いつか検討してみたいですね。(本当に累積【漁獲量】より【資源量の】減少幅が大きいとすれば、やはり【3.6%という】結果は、にわかには信じがたい)