Q:自然環境への負荷と経済活動のバランスが大変難しいと感じた。
A:ご感想ありがとうございます。生態系には再生力があり、再生力の範囲で利用するなら持続可能です。再生力を超えて乱獲すると、バランスをとれなくなります。私は楽観しています。
Q:経済的割引率と共有地の悲劇の話は非常に興味深い内容でした。
A:ご感想ありがとうございます。経済的割引率と共有地の悲劇は、気候変動を含むすべての環境問題に通じる2大キーワードであると講義でも説明しています。
Q:エコラベルという取組みの可視化、ブランド化、消費者の意識改革の動きが時代とともに進んでいることは非常に興味深かった。人口が世界的100億人まで増加していく中で、水産資源の量的需要は止まらないことが現実と考えていますが、エコラベルの普及により資源管理が効果を発揮し、少しでも長く海洋バランスの崩壊までの時間を稼げることに期待しています。
A: ご意見ありがとうございます。欲張りかもしれませんが、生態系崩壊までの延命でなく、Nature positive(生態系の回復)を目指しています。人口爆発の危機感はSDG17目標から外れ、遠のいている印象です。
Q:認証制度についてはまだ消費者に浸透していない気がします。私は漁業界にいるので広めていきたいとも思います。魚離れも近年顕著に表れていると感じます、単価が安価になることを期待しています。
A:ご意見ありがとうございます。認証制度は消費者よりまず小売店や外食産業、その機関投資家に浸透するとよいかもしれません。欧米ではどちらかと言えば低価格でなく高級品化で成功しているように思います。日本では両方必要だと思います。
Q:質疑を含めてフランクな説明をしていただけて、理解が進んだように思います。ルール作りも環境対策も日本だけではなく国際的に進める必要があるので、世界の中でどのように日本の意向を通していくかが課題であると感じました。
A: ご意見ありがとうございました。必ずしも日本だけが特殊なのではなく、途上国に共通する問題が多々あります。より多様な産業実態に合う基準を作るよう提案することが重要だと思います。