科学者に対する環境政策上の質問

Date: Thu, 18 Aug 2005 07:33:26 +1200
○○さま、皆様 【聞き取り調査の質問作り、】ご苦労様です。
 全体的質問は、生物多様性以外にも共通するものがありますね。これはぜひ全体にフィードバックしましょう。
 最後の【科学的な情報を、(産・学・政・市民などで)共有し、どのように発信していくのがよいかという】質問は、やや抽象的かもしれませんが、うまく聞けば面白いと思います。
 米本【昌平】さんが「地球環境問題とは何か」(岩波新書)で書いたように、科学者が学術論文ではかなり控えめな(証拠の揃ったことに限定した)表現なのに、マスコミにはかなり踏み込んだ発言をする例は多々あると思います。査読論文では、受理されないような発言はできません。
 他方、学会では仮説でも主張してよいが、社会に対しては、個人でなく学界を代表する専門家として尋ねられているのだから、定説のみを答えるべきだと言う考えもあるでしょう。受理されたこと(に基づく考察)がすべて正しいともいえないのです。
 これはどちらも正しい側面があると思います。しかし、一見矛盾します。それらをきちんと整合的に使い分けている人は、意外と少ないように思います。
 その辺の兼ね合いを聞いてみるとよいかもしれません。
 もう一つは、地球環境問題は明らかに価値判断を伴う問題で、専門家として意見を言う際にも、科学的客観的知見と個人としての価値判断が混在している点です。鹿肉を利用するかどうかで、鹿管理政策とその成功性はだいぶ変わりますが、鹿肉利用は価値判断です。(そのへんが先日紹介した「自然再生事業指針2-5です)
 予防原則の科研を去年やりましたが、そのときもこの問題に興味がありました。