予防原則PPか予防的取組みPAか

Date: Fri, 17 Feb 2006 10:59:31 +0900
○○さま ご無沙汰しています。
 昨日、外務省主催の下記シンポジウムがありました。IUCNの2人の講演者と私がほとんど同じように予防原則の適切な適用を推奨し、持続可能な利用と保全の両立を訴えていたのが印象的でした(講演者に多様性が少なかったと思いますが)。【】
 私は今の日本政府と我々3名の講演者との見解に、以下の二つの差異を感じました。

  1. 予防原則PPと予防的取り組みPAを分けて考え、後者のみを容認する。 これは我々3人とは違いますが、定義の問題ですから、リオ宣言の予防措置を容認できるならば、特に問題ではありません。あらゆる不確実性に費用対効果を無視してPPを適用することには3人とも反対でした。PPやPAのどのような定義が多数派になるかにより、歴史が解決するでしょう。
  2. 「未然防止は法体系になじむが、予防原則はなじまない」というような意見がありました。preventionは因果関係のわかった(発生確率のわかった)リスクへの事前の対応であり、precautionは科学的根拠が不十分な不確実性への事前の対応であるという定義は一致していたと思います。

Date: Sat, 18 Feb 2006 13:27:21 +0900
予防「原則」か予防「的取り組み」かについては、今回のシンポジウムで、だいたい議論は尽きたと思います。呼び方にこだわるのは自由ですが、もともと同じものという指摘も認知されたことでしょう。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/event/sy_060216.html
「海洋生物資源管理の最近の潮流:持続可能な利用と予防的アプローチの適用」
国際シンポジウム 2月16日(木曜日)午後