祝 プロ野球で中日日本一

今日、中日が日本シリーズを制した。ポストシーズンに入ってから九勝一敗(阪神に二連勝、巨人に三連勝、日本ハムに四勝一敗)という驚異的な戦績だ。
 最終戦で山井が八回まで完全試合ペースなのに、最終回に抑えの岩瀬に交代させた。日本シリーズでの(個人投手)完全試合という記録を捨ててまで落合監督は勝ちにこだわった。20年ほど前の巨人中日戦を思い出した。そのとき、巨人の斎藤雅樹投手はやはり8回まで無安打無得点試合ペースで、たしか1−0で巨人が優勢だったと思う。9回にとうとう走者を出してしまった*1。その次の打者は落合だった。私は行きつけの千駄木の飲み屋でこの試合を見ていた。常連客に「ここで落合が本塁打でも打てば(すごい)」と話していたら、本当に逆転本塁打を打ってしまった。斎藤雅樹はもう少しで無安打無得点試合というところから、敗戦投手に変わった。勝負というのは恐ろしいと思いつつ、それを狙って本当に打ってしまった落合の勝負勘に感心した記憶がある。
 53年ぶりの日本一がかかった試合で、完全試合より勝ちにこだわったのはよくわかる。完全試合も歴史に残っただろうが、投手リレーで勝ち取ったこの「完全試合」も、間違いなく球史に残ることだろう。*2

*1:記憶というのはあいまいなものだ。おそらくhttp://kenbtsu.way-nifty.com/blog/cat1481342/index.htmlにある以下の試合だろう。「(89年)の夏。ナゴヤ球場での中日戦で、斎藤が力投し、8回を終わってノーヒットノーラン、という試合があった。ジャイアンツが3点リードした9回表、斎藤は代打・音に初ヒットを許し、四球の後、仁村のタイムリーでう1点を失う。そして一死一、二塁から打席に立った落合に、何と逆転サヨナラ本塁打を食らう。水に落ちた犬を叩きのめす呵責のなさは、いかにも落合らしい。それまでの自信満々の表情に比べて、打たれはじめてから息の根を止められるまでの斎藤の表情は、明らかに浮き足立っていた。落合は、打席に入る前から勝利を確信していたに違いない。

*2:2010.9.12Wikipediaの「2007年日本シリーズにおける完全試合目前の継投」と言う項に山井交代の賛否両論を載っている。その備考に、まさに89年の落合のさよなら本塁打が紹介されている