四国のツキノワグマ

Date: Wed, 1 Oct 2008 14:46:59 +0900
 クマのヘアトラップによる個体数推定ですが、体毛標本がほとんど取れない中で何ができるかをよく考えておかないといけないでしょう。ヒグマや東日本の熊のように個体数の多いところ、紀伊半島や中国のように少ないところ、四国のようにほとんどいないところがある。
 心配なのは、一世代前に比べて雌が激減している(人口学的確率性)可能性です。
Date: Wed, 1 Oct 2008 17:03:15 +0900
【本来雌のほうが生存率が高く雄より多いはずなのに、雌は雄の】2倍いないという状況証拠の段階ですね。そして、雌が少ないのはこの個体数ならば人口学的確率性の影響で、通常の世代は、やはり雌のほうが多かっただろうと思います(四国の雌だけ、生存率が雄より高くないとは思いません)。ということは、現在は【たまたま雌が減ってしまった状態で】一昔前よりもずっと存続の危機にあると示唆されます。
 【ここまで減ってしまった以上、他県から再導入を検討すること】に賛成です。実際に導入を検討してから同意を得るのには時間がかかります。いったん絶滅すれば、再導入の合意形成はたいへんでしょう。すでに駆除していない四国の熊に対して、生息地の保全という一般論はいえますが、ほかにめぼしい保護措置はとりにくいですから、再導入のようなわかりやすい議論を含める(あくまで選択肢の一つ)ほうが具体性があると思います。