生態系モデルへの期待(1年前)

Date: Wed, 24 Feb 2010 17:23:18 +0900
 生物多様性条約(CBD)COP10などを通じて、最近思うところを少し述べさせてください。
 気候変動では、気候モデルが重要な位置を占め、将来予測、シナリオ分析などが条約の会議で取り入れられています。それに比べて、国際的にも、生物多様性については、COP10での議論も気候モデルに匹敵するようなモデルに基づく議論にはなりません。
 気候変動はCO2(あるいは気温と降水量)と言うわかりやすい変数に絞られ、そこからさまざまな予想をすることができます。それに比べて、CBDは状態変数を絞れないという「弱み」があります。また、CO2は地球規模の問題ですが、生物多様性は地域の取組みが地域の影響に反映され、地域的な要素が重視されます。
 しかし、それと、モデルが不要と言うことは別のことです。生態リスクの重要性を本格的に社会にアピールするには、遅ればせながら、気候変動と同じようにモデル屋をたくさん育てて、気候変動とリンクしつつ具体的な地域問題のシナリオ分析を行うのが一番だと思うようになりました。まだ、私が手がけているようなさまざまな「現場」の問題と、【生態系モデル】は連動していないように思います。逆に、私はIPCCとは何の関係もありません。この連携を図ることが重要だと思います。 生態系モデルは、地域に結びつくと同時に、気候モデルにも結びつくべきだと思います。【】