7.29ゼニガタアザラシ科学委員会・松田の意見

August 19, 2014 10:37 AM
 【上記会合*1】ご苦労様でした。当日は委嘱状と会場案内が届いておらず、合同庁舎に行ってしまい、遅参ごめんなさい。

  1. スコットランド視察の教訓として、】一番大事なのは信頼関係ということだが、去年から【環境省が漁民に】約束したことが覆ったのは 【信頼関係を損ねたという意味で】極めて重い。それから、【視察団の構成だが】漁業形態が違うという意味では、漁業の専門家や漁業者自身が、海外の事例を本当は見た方が、一緒に考える上ではよかったのではないか。」
  2. どの程度の精度があればよいとかいう見込みなく【2年間の調査をし】ているところが非常に問題である。現在の哺乳類のレッドリストは、E基準を優先すると、明確には規定していない。【しかし、環境省は】E基準を優先する海産生物レッドリストを作り始めているから、もしそれを先取りして実施すれば、すぐに絶滅危惧種の指定を外すとことも、私は可能であると思う。ところが、そういう手段を取っていない。しかも、2年という年限が、なぜ決められたのかがよく明確ではない。科学的な根拠に基づいていないという印象を持った。
  3. 【繁殖率の追加調査をしているようだが、】年増加率が1%とか-4%とか聞くと、有効数字が1桁で良いように思うかもしれないが、実は固有値では1.01とか0.96というように2桁必要だ。ということは繁殖率や生存率が2桁ないと、【自然増加率】の推定はできない。本当に2年かけてそれが揃うのか。
  4. 真の個体数の変動と、今年はたまたまあまり発見できなかったという2つのばらつきがあるが、時系列だけからこの2つがそれぞれ何%なのか分離することができない。それを明らかにすることをこの2年間の調査の中で設計する必要がある。
  5. 【2年間で】何をどこまでデータを取れば、結論が出るのかということは科学者に聞けば本来わかる。【調査デザインを組む前に】それをちゃんと聞いてないと思う。少なくとも私には聞かれていない。