8.24 駒場シンポジウムのお礼

Date: Fri, 25 Aug 2006 08:57:33 +0900
皆様
 昨日のシンポジウムはたいへん勉強になりました。MCMCが何の略語なのか、ベイズと経験ベイズの違いもわからなかったので、○○さんの仕分けはたいへんわかりやすかったです。
 最後に変な質問をしてごめんなさい。しかし、私はいまだに納得できません。「このシンポジウムの講演には、基礎も応用も含まれていたはずである。基礎科学ならば、何が【】尤もらしいかではなく、どこまで証明できているかが問われる。応用科学ならば、現時点での情報から、どう意思決定すべきかが問われる。この両者で、統計的手法の使い方、考え方は違うはずである。しかし、このシンポジウムでは、その違いがよく見えなかった。」というのが私の質問の趣旨です。
 あの場の議論では、今回の講演はすべて基礎であったというお返事でした。私はそうは思いません。科学的議論という意味での迫力は十分に感じましたが、講演の半分くらいは、まさに応用研究だったと思います。
 途中での○○さんのお返事では、統計学というものは、帰無仮説の棄却検定も含めて、後者、あるいは先入観のない客観的判断というものでは「ない」という認識だったと思いますが、これも私には理解できません。「オッカムのかみそりと帰無仮説」という考え方は、「どこまで証明できたか」を判断する上で、私は明快な基準だと思います。「AIC(など)によるモデル選択」はとても便利だと思いますが、なぜあの式(パラメタ数の割り引き方)でよいのかは私には説明できません。ベイズの事前分布という考え方は、主観を明示するという意味でわかりやすいし、順応的管理などによくあっていると思います。しかし、それが「客観的証明」といえるとは思いません。【】
 昔から統計学は苦手ですが、今回、ますますわからなくなりました。しかし、さまざまな技法の入門としてはとても有意義でしたので、これから勉強させていただきます。今後ともよろしくお願いします。

Date: Fri, 25 Aug 2006 11:26:40 +0900
○○様、皆様
【科学的命題は決して証明されず、確からしさ、信じる度合いを増していくのみだという指摘に対して】そうでしたか。私はそこまで悟れませんでした。だから私には統計学がわからないのでしょう。まだわかりませんが、何がわからないかはわかってきました。ありがとうございました。
Date: Fri, 25 Aug 2006 15:07:27 +0900
○○さん
予防原則では、Full Scientific Certaintyがない場合でも対策をとると書いています。ということは、十分な実証のある場合とない場合があるはずです。基礎科学は、当然十分な実証を求められるはずで、予防原則はそうではない。 実証が不十分であることを自覚しつつ、意思決定することがあると思っています。
 皆さんの議論を聞いていると、その違いがみえて来ませんでした。ごめんなさい。