リスク管理とオッカムの剃刀

Date: Tue, 21 Nov 2006 19:05:18 +0900
○○様
ありがとうございます。ベイズにこだわるつもりはありません。要は、大量のデータを一気に使えるようになった(Data mining)の世界に適応し、柔軟な解析方法をどしどし開発し、実践的な問題に答えを見出していただきたいということです。それができる第一人者は、○○さんでしょう。
 林知己夫さんも、晩年までお元気でした。難しいことはよくわかりませんが、彼の問題解決に向けた姿勢には感服しました。私のエゾシカ管理の話を統計数理研究所に呼んでいただいて彼の研究会で披露したとき、実に丁寧に教えていただきました。
 リスク管理をやっていて感じるのは、オッカムの剃刀ではすまない部分があるのではないかということです。【根拠なく複雑に考えないというのは統計学の基本でしょうが、それでは不測の事態に備えられない。】自動車で言う「だろう運転」より「かもしれない運転」とは、根拠ない不確実性に備えることだと思います。Simple models with errorsというのが今の私の標語で、いたずらに(根拠不十分で)複雑にしても見通しが悪いですが、単純なモデルにノイズを混ぜれば、さまざまな未来を想定し、不測の事態に備えられるという気持ちです。
 また、いろいろ教えてください。