調査前のダミーデータを用いた統計解析

Date: Tue, 27 Oct 2009 13:09:12 +0900
 あと、どのくらいのサンプルが得られそうかの見通しが大切です。
 IWCでは、架空データを作る人と、その答えを知らされずに各国各人で解析法を開発して答えを出し合い、最も性能の良い方法が採用されます。 
 これで、どの程度のデータが揃えば、どの程度の精度で推定できるかがわかります。 ただし、それはDammyデータの発生ルールが現実と同じ場合であり、現実は分からない。通常、上記のテストで分かる推定誤差より、現実の推定誤差は(前提の間違いや単純化があるので)ずっと大きくなるでしょう(この部分は、実は、多くの統計解析結果で言及されません)。
 まだ、環境要因のデータ(GIS情報)がありませんが、それを使いこなす前に、Jolly-Seber法など(さらに位置情報考慮)のおさらいができそうですね。

Date: Tue, 27 Oct 2009 15:44:14 +0900
【手法開発の際に1人でこじんまりと今回のようなダミーデータを使った解析をしてみるという自作自演を】やっている人は始めて聞きました。すばらしいです。たいていの人は、結果が出てから初めて統計解析します。だいたい、調査計画は勘で何とかしています。検定でも、どんなにきれいなデータでも5標本は必要だというが、微妙な結果に必要な標本数を事前にダミーデータで見究める人を、私は知りませんでした。
 今回、これだけ大掛かりな設計を研究集団としてやるのですから、やはり、やったほうがよいと思いました。【】おかげで、それは実現しようとしています(事前に計算し、それによって調査計画を微修正できて、初めてそういえるのですが)。
 現場感覚で決めた設計が、最適と言うことはまずありません。だいたい良いと言うことはあるでしょうし(事後に、こうやったらもっとよかったと思うことが全くないとすれば、そうでもないかもしれないが)、だめと言うこともあるでしょう。
 得られる標本数と再捕数(と個体ごとの空間分布)の予想については、現場感覚の意見も、ぜひ聞きたいところです。
 IWC(あるいはマグロ国際管理)は、はっきり言ってやりすぎだと思います。そんな労力は、国際紛争の的でなければやりません。日本と反捕鯨団体捕鯨にこだわればこそ。日本政府のベイズ推計学と順応的管理理論の発展に関する経済的貢献は非常に大きいといえるでしょう。
 いえ、データを取ってみてもわからないかもしれません。シカなら、捕獲して、減らしてみればある程度わかるでしょう。