IPCC、IPBES、Future Earthには規制科学がない

Date: Fri, 13 Apr 2012 09:06:25 +0900
 規制科学Regulatory Scienceは、IPCCではどう扱われているか、ご存知でしょうか?
 私はロンドンのIPBES関係の会合(今年から学術会議連携会員 IGBP,WCRP,DIVERSITAS合同小委員会メンバーになりました)に行って、科学者は締約国やStakeholderの実情を見ずに「科学的な」理想を語り、調停は政治の役割というスタンスに疑問を持ちました。
 【関わる人は】下記のような見解です。これはおそらくIPCCで明言されているのだと思います。

例えば、IPCCは、調停は政治の役割、科学者コミュニティ【】はプロセス解明と予測可能性を追求する、というスタンスです。

 今、Future Earthという取り組みにこれらは統合されようとしていて、そこにはIHDP(Human Dimension)という社会科学者も含まれている。そこには、Future Earth is established by an Alliance of diverse stakeholders that include researchers, funders and users of environmental knowledge.
と書いています。(http://www.icsu.org/future-earth/home/about-initiative/flyer-for-planet-under-pressureただし、ほかの関連サイトの表現は違う)
 実体としては、社会科学者を含めたものの、規制科学あるいはStakeholderの調停には踏み込んでいないように思います。

Date: Tue, 17 Apr 2012 11:01:00 +0900
 3月末にロンドンのPlanet Under Pressure会議に出たのですが、Future Earthという取り組みへの統合が議論されました。日本の学術会議でも、安成さんを座長にして、IGBP,WCRP,DIVERSITAS合同分科会ができます(私は初回欠席)。一方で文理融合を目指す(IHDPというHuman dimensionのグループが加わる)【】。
 CBD/COP10以後、彼らを見て思ったことは、現場にかかわる科学者が少ない、本当にStakeholderの調停に資する科学をやっていないということでした。わがGCOE【の成果】では、この点を強調したいと思っています。
 【】聞いたところ、IPCCでは将来予測可能性を追求するのが科学者の役割、調停は政府の役割と明確にしているとのことです。
 そこで浮かんだのが、Regulatory Scienceという用語です。たしかに、IPCCやIPBESをみても、この用語が出てこない(Human Dimensionとは別です)。【】