不都合な真実と都合のよい作り話

Date: Mon, 3 Dec 2012 09:54:56 +0900
そう言えば、【福島事故の生態リスクを喧伝しているある学者の】評を聞いて、水産学者Boris Wormの話を思い出した。
 彼の2006年Science論文「2048年までに世界の水産資源が壊滅する」は今でも広く引用され続けているが、2009年のScience論文「世界の漁業の再建」はほとんど引用されない。 本人はいたってまじめな若者【です。2006年の論文で自分が評価されることを避けています。】
 しかし、世間は「不都合な真実」よりも(当局だけでなく環境団体の側も)「都合のよいFiction」を使いたがります。本人は、前提を変えて「数学的に正しい」計算をしただけでしょう。そして、環境問題では、予防原則の名のもとに、実証されていない前提を使うことが奨励され、前提を変えれば、同じ著者でも真逆の科学論文を出せるのです。しかし、それは「真実」ではなく、「作り話」でしょう。
 【フクシマでの生態リスクの論文は慎重な書き方をしているが】引用する側は、放射線との因果関係まで感じてしまうのでしょうね。そして、そう引用されること自体を本人は悪いとは思っていないのかもしれません。