自然との共生の元祖は屋久島憲章

Sent: Thursday, December 1, 2022 1:43 PM

最近、生物多様性条約関係では、日本政府がCBD/COP10あたりから主張した(11.21発足行事の渡邉綱男先生によると、屋久島環境文化村構想に起源をもつ)Living in harmony with nature(自然共生)が、他国の文書にも多用されるようになりました。Dasgupta報告「生物多様性の経済学」でも同様の意見があります(Miguel教授の講演や講義に詳述)。

MAB計画でいう生物圏には人間が含まれている。人間を含めた自然という自然観が重要です。 Global COE「アジア視点の国際生態環境リスクマネジメント」で掲げたアジア視点が、ようやく生物多様性関係者の世界標準になりつつあるともいえるでしょう。

 私はさらに一歩進めて、野生動物も人間を利用している。相互利用関係のある野生動物との共存を考える必要がある。と主張しています。

・人と野生動物の利用しあう関係 :野生生物と社会学会公開シンポジウム「経済と社会を支える生態系サービス」基調講演, 2021年11月6日

その動画は以下にあります。

 http://ecorisk.ynu.ac.jp/matsuda/2021/210929zD6gjMnbsNwL.html松田裕之

(以上)

野生シカ捕獲のメタンオフセット料金は?

送信日時: 2022年3月21日 10:42

添付のような試算をしてみたのですが、似たような計算をしている方をご存じでしょうか。

シカの場合、増え続けていれば、捕獲はその個体のメタンだけでなく、子孫のメタンも減らします(新型コロナ対策も同じです【】)。そこまでは今回は考慮していませんが、それでも、シカの余命を10年縮めるとすれば、1700円ほどになると思います。捕獲の報償金の12割程度を占めるという言い方も可能と思います。小鹿を獲ることも、1年後には成獣になるのですから、メタン排出を減らす効果はほぼ同じでしょう。

 牧牛と比較した論文はおそらく飼育下のアカシカだと思います。それだと体重200㎏くらいか。野生のニホンジカは雌で50-80kgくらいでしょう。

 家畜のウシ、野生のシカのメタン排出(松田の個人的試算、要確認)

UNFCCC・COP26では、牧牛のメタン(CH4)排出量を問題視

  • Vegan食(菜食主義)推奨の理由に動物愛護+メタン対策
    →野生シカもメタンを排出。シカ対策は温暖化対策に将来なり得る
  • ウシと畜養アカシカのCH4排出量は140.4 gと31.5 g /日*1
  • 野生ニホンジカは畜養アカシカの半分程度とすれば15g/日程度か。
  • 日本の肉用牛乳用牛は約400万頭*2。全廃なら24万t/年のCH4削減
  • 日本の野生シカは推定約240万頭*3、増えすぎで全国的に駆除 
    →50万頭に減らせば、1年あたり約1万トンのCH4削減
  • CH4温室効果はCO2の28倍*4。CO2オフセットは10ドル/t程度*5
    CH4だと約3万円/tか。
  • 牧牛全廃のCO2オフセットは牛の飼育年数を1年とすれば約63億円
  • ニホンジカ管理はシカの平均余命を10年とすれば30億円(繁殖除く)
    ( 牧牛1頭当たり1580円/頭、シカ捕獲1頭当たり1700円)

コウモリの環境影響評価

コウモリのEIAの手引きらしきものを検索しましたが、以下【】くらいしかありませんね。あとは実際のEIAの文書の前例を見るしかなさそうです。何か良い手本がありましたら教えてください。

EUROBATS(2014)Guidelines for consideration of bats in wind farm projects.  PDF
EUROBATS(2015)風力発電事業におけるコウモリ類への配慮のためのガイドライン

和訳
国総研 コウモリ類の調査の手引き(案)2006年 PDF
農水省 農業用水路トンネルとコウモリ類 2017 PDF

環境省レッドリストから、絶滅危惧種ごとに県別の指定種や分布域が検索できる。(ユビナガコウモリの例

ちなみにIUCN Redlistでは、ユビナガコウモリの日本の亜種は載っていないようだ。

※より詳しい情報をご存知の方は教えてください。

備忘録 WhatsApp、Wifiパスワード

  1. WhatsAppの使い方 https://apptopi.jp/2021/02/08/whatsapp-app/4/
    Windowsで使う https://softmany.com/jp/whatsapp-windows/
    AndroidでWhatsAppを録音録画する方法
    https://www.fonepaw.com/ja/recorder/record-whatsapp-video-calls.html

  2. 接続しているWifiのパスワードの確認方法(Windows10の場合)*1
    スタートメニュー → 設定 → 状態 → ネットワークと共有センター 
    → [接続] の横にある Wi-Fi ネットワークの名前を選びます。
    → [Wi-Fi の状態] で、[ワイヤレスのプロパティ] を選びます。
    → [ワイヤレス ネットワークのプロパティ] で[セキュリティ] タブを選択し、[パスワードの文字を表示する] チェックボックスをオンにします。
  3. Windows 11 - Wi-Fiのパスワードを確認する(忘れた場合) - PC設定のカルマ (pc-karuma.net) ① 設定の左メニュー [ネットワークとインターネット] を選択し
    ② [ネットワークの詳細設定] をクリックしましょう。①「Wi-Fi」を選択・右クリックし②「状態」をクリックします。→「ワイヤレスのプロパティ」セキュリティ」タブを選択②「パスワードの文字を表示する」にチェックを入れると
    ③ネットワークセキュリティキー(Wi-Fiパスワード)を確認することができます

*1:20211110追加

ワクチンの効果 変異株に対する感染率、重症化率など

2021/7/17 日本学術会議 公開シンポジウム 「新型コロナワクチンを正しく知る」

変異株に対する感染率、重症化率など。さらに1回接種後の効果なども。2倍速でも見られます。50分目から20分間 https://youtu.be/FNm0V3tkaaA

Date: 2021/7/14, Wed 11:29
 私のモデルナのワクチンがコロナ株以外に対して94%有効になるのは7/27日摂取から2週間後です。10日から【】私が感染するリスクは低いしょうが、それまでに私が感染し、他人にうつすリスクはそれなりにあります。【】ただし、1回だけ、2回目から1週間でもそれなり(【】割?)の効果はあるようです。【】ワクチン接種者がコロナ株で重症化するリスクはかなり低いようですが、他人にうつすリスクはそれなりにあるようです。

山中伸弥さんのサイト】 37.ワクチン接種後の日数と効果; 38. 変異型ウイルスに対する効果

グリーン・レメディエーションのガイダンス(案)

私もかかわった休廃止鉱山における「生態影響評価ガイダンス(案)」と「利水点等管理ガイダンス(案)」が経産省サイトから公開されました。以下の部分だけ転載します。

 

グリーン・レメディエーション(元山回帰)

【休廃止鉱山におけるグリーン・レメディエーション(元山回帰)の調査研究(平成30年度~)】

【利水点等管理ガイダンス】

【生態影響評価ガイダンス】

*1:2021/12/15追加

*2:2021/12/7加筆

*3:2021/12/7加筆

獣害問題に背を向けるワンヘルス運動とは

Date: Tue, 9 Feb 2021 10:45:20 +0900

 最近、コロナ禍の中で野生動物の利用や取引一般を削減しようという主張が増えていることを危惧しています。注意すべきことに異論はありません。しかし、だから利用削減というのは、利用する側の実情を無視した意見と思います。 研究者が熱帯林に調査【に行け】ば双方向の感染症伝達に注意が必要であり、コウノトリの野生復帰でも対策が必要です。野生獣肉の生食は厳禁です。実際にそのような対策は取られてきました。【】

 獣肉利用が必須な途上国だけでなく、先進国も含め、利用しないことでかえって獣害問題が深刻化し、それが感染症問題も複雑にしています。マダニとシカだけでなく、豚熱と野生イノシシの関係も指摘されています。
 獣害問題(Human-wildlife conflict)と獣肉利用(Wild meat)など、野生動物と接する人間社会の問題解決とセットでなければ、ワンヘルスは成功しないどころか、地元の解決を妨げる要因にすらなりえると思います。
 【ワンヘルス運動が】獣害対策と適切な利用と取引を促進する新たな常態を目指すという趣旨ならば良かったと思います。実際には、象牙を筆頭に、野生動物利用全般を削減する運動になっていると思います。【】

・人とクマは友ではなく、互いに恐れあうことで共存できる。
・人と野生動物の接点は必ずある。すみ分けというだけでは解決しない。
・人は生態系の一員であり、野生動物を利用することも、野生動物に利用されることもある。その関係を断つことが人と自然の共存ではない。

 

  • *110月1日からのカザフスタンMAB委員会・金沢大学主催のオンデマンド研修で「A new normal between human and wildlife as a part of the biosphere」を教材提供し、11月6日に「野生生物と社会」学会公開シンポジウムで「人と野生動物の利用しあう関係」と題して基調講演させていただきました。視聴された方々から、これらに対するご質問、ご意見をお聞かせください。このBlogのコメント欄にいただければ幸いです。

*1:2021/11/12加筆