署名記事でも変なこと

 先日、また、ある新聞で変なことが起きました。署名記事でしたが、どうやらそこに載った取材は署名者とは別の人が行い、取材者の意図に反する文脈で使われたようです。取材を受けた当人は取材した記者に抗議しました。
 私のサイト「報道関係の方へ」に以下のように書きましたが、今回の例は、もし記者の取材が間接的に関係しているとすれば、「署名に名を連ねられないような修正」が「デスク」によって行われた結果かもしれません。【】無署名記事ならば【取材した記者】の責任は重大となったことでしょう。【】署名記事と言う方針は正しく、直接の責任が【署名に名を連ねない取材者】にないことは明確だと思います。しかし、記事の中身の良し悪しは、署名記事と言う制度だけでは保障されないことも、今回わかったと言えるでしょう。デスクによって記事の改変が行われそうな場合、記者は署名に名を連ねないだけではなく、自分の取材に基づく記事が歪められて報道されないよう、最後までデスクと闘って頂きたいと思います。
 同時に、取材メモが、取材した当人だけでなく、しばしばデスクまで記事になる前に報告されているという事実も、取材を受ける側としては注意すべきです。
 とにかく、記者には裏を取るという鉄則を守っていただくよう、常にお願いしたい。そうすれば、ミスはずっと減るはずです。
報道関係の方へ
3)取材に基づく記事を書かれる際は、原稿段階で見せてください。「現場」記者の原稿が「デスク」によって書き直される場合、これは難しいかもしれません。しかし、現場記者が責任を負えないような添削をする体制自体が間違っていると思います。社内での助言や相互批判は奨励すべきですし、納得できる訂正に恥じることはありません。しかし、署名を書けないような修正を行っていては、責任ある報道を維持できません。