魚食批判 対 すし流行

Date: Fri, 16 Jun 2006 20:08:04 -0400
皆様

BBCワールドは、日本の捕鯨特集をまた【2006年6月16日】からやっています。【】血を流す鯨のフィルム、反対運動の映像、例によって最後は鯨を食べる日本人の姿で終わっています。日本人はすごい野蛮って印象。全世界に流れております・・・。

○○様、ありがとうございました。(まだ会議中。今夜は深夜までかかりそうです)
 すし文化を批判するチャールズ・クローバー「飽食の海:世界からSUSHIが消える日」(岩波書店)の書評を書いたのですが、それから、この魚食批判がどう決着がつくのか、興味があります。
 乱獲されたマグロを食べるな、アザラシの大量虐殺を伴う水産物のボイコット(今朝のNew York Times)などの動きは北米では盛んです。
 米国では環境団体に雇われたり、研究資金を貰ったり、他の財団も環境団体に同調した内容で巨額の研究費を出すようになっているので、より極端な結果を出す論文が推奨される傾向にあります。岡崎でいかに極端な結果を出すかを相談しあっているのを聞いたことがあります。
 日本で一時、風発に猛禽が当たる(bird strike)が問題になったとき、1羽たりともあたれば大きな影響などと環境省の委員会で学者が発言しましたが、さすがに、今では数の多寡が問題という議論に落ち着きつつあると思います。しかし、今回私が参加している国連海洋法条約を巡る議論ではそのような気配はありませんね。
 著者自身もマグロを食べてしまったなどと上記書物にも書いているのだから、まさに、懺悔をして免罪符を売る中世キリスト教会のようです。
 米国環境団体(だけでなく、動物学教室の院生なども)では菜食主義がすでに多数派です。vegetarian Sushiを進めたGPのお姉さんにいつから菜食と聞いたら、14歳からと言っていました。longer than 10 yearsといったらすごく喜んでいた(いくらなんでも、そんなに若くはなかったらしい)。 これは、矛盾を海外に向けるのと同じ手法です。自分たちの環境負荷が高いことを棚に上げて魚食が悪い、鯨食が悪いなどと言いまくる。もっと有効な対策は、エネルギー消費を減らし、ごみを減らすことだとは思わないらしい。
 しかし、すしは健康食品として米国でも広まっていると思います。それと菜食主義は矛盾します。majorityとしては両立しないでしょう。では、魚食を攻撃し、菜食主義を唱えるものが、すしの流行に棹をさせるかと言えば、今のところ疑問です。いったいどうなるのでしょうか?
 それにしても、日本て嫌われているんですね。なぜでしょうか?
 話すときに冗談を交えていないと、特に意見が対立するときには敬遠されると思います。もう少し軽く構えるほうがよいですね。それから、できるだけ人の言葉を引用し、少しでも議論を関連付けること。これをやらないと、孤高の人と言う感じで、浮いてしまいます。