水産

「漁業と漁協」誌に載る「TAC真理教」とは

佐藤力成(2008)「漁協再生のために(第1回)漁業を取り巻く環境と漁協の役割」漁業と漁協4月号24-31 佐藤さんのこの文書、第1回だけしか拝見していませんが、TAC【漁獲可能量】は嫌われているのですね。 私は彼の言う「TAC真理教徒」です。TACがすべてとは言…

9.14朝日新聞社説

Date: Sun, 14 Sep 2008 17:13:08 +0900 阿蘇熊本より松田裕之です。 今朝の朝日新聞の社説「魚と生態系−海を空っぽにするな」ですが、論理構成としては、 A 世界の水産資源の枯渇を説き、 B ノルウェーなどで一定成功している個別漁獲割当量制度(さらにNZ…

沿岸漁業と規制改革会議

Date: Sat, 6 Sep 2008 11:09:33 +0900 沿岸漁業への参入【ですが、】現在でも企業は地元の協力を得て沿岸に参入できるし、現にしています。あとは法制度の改革ではなく、協力を得やすい環境づくりが重要だと思います。協力無しにでも参入できるような法制度…

「規制改革会議 中間取りまとめ」の反論への意見

Date: Thu, 28 Aug 2008 11:49:43 +0900 【政府の「規制改革会議 中間取りまとめ」が下記サイトなどにある。 http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/publication/2008/0702/item080702_06.pdf 水産分野で、この文書に対する桜本和美さんの批判が8月25日付…

原油高騰に伴う漁業者への直接補填について

Date: Fri, 15 Aug 2008 17:57:41 +0900 記事ありがとうございます。そうか、朝日新聞の8月10日とつい最近の記事だったのですね。二項対立でなく、3人いたとは面白い。 「省燃油実証事業」について、水産庁出身の小松正之さんは「これで当座をしのいでも赤字…

8.13 公開講演会のお礼

Date: Thu, 14 Aug 2008 11:34:12 +0900 牧野光琢様 生態リスクCOE関係者 海センター運営委員 の皆様 昨日は夏休み中にも係らず、貴重なお話をありがとうございました。 http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2008/080813COE.html 30名近くの参加者に恵まれ、…

水産物の洋上投棄と陸上廃棄

Date: Mon, 4 Aug 2008 16:07:49 +0900 今日は工場見学などを満喫 環境団体は漁獲物の洋上投棄を問題にするけれど、スケトウダラすり身工場(MSC認定の最大の水産物)の歩留まりは3−4割程度。それも魚体の組成などで1割程度の違いがある。母船上ですり身…

一斉休漁は結果として資源を守るか?

Date: Tue, 15 Jul 2008 16:58:33 +0900 (ある知人からの提案)原油高で漁業の休業が増加しておりますが、この休漁がもたらす資源への効果について極めて興味があります。資源確保の立場から見れば、この度の休漁や遠洋漁業の抑制は保全活動に繋がると思い…

世界遺産の海域管理計画に関与しなかった水産庁

Date: Fri, 27 Oct 2006 12:43:45 +0900 水産庁が知床海域管理計画に当事者として参画しないことが最大の問題ですね。水産庁は、今まで漁業の自主管理(資源管理型漁業)を所管するもので、さまざまな法の実施主体だったはずですから、通常の自主管理漁業を…

調査捕鯨鯨肉と鯨肉文化の絶滅運動

Date: Wed, 21 May 2008 20:59:56 +0900 (JST) 横浜国大の松田裕之です 朝日新聞では鯨肉「横領」だけが問題視されているようですが、グリーンピースジャパン(GPJ)の情報取得手段そのものの違法性の議論を最初に私が見たのはWildlife*1でした。インター…

海洋基本法 フォローアップ研究会提言について

Date: Mon, 31 Dec 2007 09:07:13 +0900 フォローアップ委員会の提言を拝見しました。温暖化が基礎生産に与える影響も監視すると記した点は喜ばしいことです。また水産学会の提言や、松田の提言にある以下の2点については、反映していただいたことに感謝しま…

海洋基本計画への意見

Date: Tue, 2 Oct 2007 18:49:53 +0900 水産学会では、急遽、水産政策委員会(黒倉委員長)を設置し、海洋基本法とその計画への 意見を集約しています。 10.1に海洋基本法記念会議が開催され、各界の関係者が集まり、水産学会からも挨拶が ありました(…

水産学会の海洋基本法に対する対応について

Date: Sat, 29 Sep 2007 03:59:03 +0900(一部改変) 昨日、水産学会(環境保全委員会企画)シンポジウム「海を守り,食を保障する持続的漁業―海洋保護区と自主管理型漁業」桜井泰憲(北大水産)・松田裕之(横浜国大)・牧野光琢(中央水研)をやりました。…

水産学会誌に文系の論文は掲載してもらえるか?

Date: Thu, 27 Sep 2007 18:11:54 +0900 Fisheries Scienceの投稿規程http://www.miyagi.kopas.co.jp/JSFS/PUBS/FS/instructions.htmlには Fisheries Science ...invites papers in a wide range of research fields related to fisheries science. とありま…

水産資源学者は水産業界に貢献できるか?

Date: Thu, 22 Mar 2007 19:55:44 +0900 これから日本の水産業界に貢献するという視点からみて、研究者が果たす役割は大きいといえるのでしょうか。特に「水産業界における研究者の立場」という観点で それは研究者の振舞い次第です。 あなたの希望は、水産…

トドの駆除枠に関する松田の主な発言

平成19年6月11日-12日 生業者【の捕獲実態】については、現在あるデータを出して欲しい。 トドの管理ができるかどうかは生業者次第である。深刻な問題との認識が生業者も行政も無いのでは? アウトプットを明確にすべき。管理目標の設置が必要。また、関係研…

リスク分散が肝要

松田裕之 リスク分散が肝要 . 日本水産学会誌特集「変動する資源の有効利用」. 73:776 マイワシの資源管理を例に、我々生態学者の自然観は大いに鍛えられた。変動するマイワシ資源に象徴されるように、生態系は不確実、非定常、複雑である。資源量推定は不正…

海洋基本法は環境保護か海の自由化か

Date: Mon, 3 Sep 2007 08:37:50 +0900 【】遠洋、沖合漁業については新たな枠組みが必要だと思いますが、沿岸の漁業権をつぶすとなると、大混乱になるでしょう。【】 環境保護も自由主義(自由貿易、自由参入)も今世紀の大きな流れですが、両者は同じベク…

トド捕獲駆除数 の報道

Date: Wed, 15 Aug 2007 12:02:31 +0900 (JST) >水産庁記者発表資料 http://www.jfa.maff.go.jp/release/19/081001.pdf まず、水産庁自身は【捕獲駆除数】が227頭とは言っていません。報道からは誤解されますね。227頭は混獲など、すべての人為死亡の合計値…

今後のさんま漁業について

Date: Sun, 12 Aug 2007 02:52:16 +0900 1.早く国際的な管理機関を準備しないといけませんね。新たな漁業者が参入する前がよい。いつも後手に回ります。 2.【小型魚の大量投棄をもたらす】選別機廃止論は正しかった【。遠洋では韓国漁船などがなお選別機を使…

講演依頼への返事

Date: Fri, 10 Aug 2007 17:36:13 +0900 (JST) お誘い光栄です。一つだけお願いがあります。私は、「食卓から魚がなくなる」とは思っておりません(「飽食の海」への書評)。高級魚が今まで通り食べられなくなるとは思っています。題名を「食卓から高級魚が…

NHKクローズアップ現代

Date: Tue, 24 Jul 2007 08:59:14 +0900*1 いやはや、前日に「想定問答」を考えていたのですが、そのあと国谷さんを交えてスタジオで議論しました、限られた時間で何を言うか、軸足が直前まで定まりませんでした。 局側としては、まず時間を考えずに意見を述…

日露生態系保全・持続可能な利用に関する協力について

Date: Tue, 10 Jul 2007 13:55:22 +0900 末尾のような日露専門家会議の動きがあります。【】 ロシア側の準備状況がわかりませんが、日露外交関係、知床・北方領土を含むオホーツク海の共同管理に向けた研究者サイドの共同を進める絶好のチャンスだと思ってい…

世界水産学会議(横浜)セッション7 企画案

Date: Sun, 24 Jun 2007 07:26:31 +0900 5WFC セッション7担当各位 大変遅くなりましたが、セッション7(Biodiversity and management)の7つのサブセッションの英文要旨【ができました(2nd circular用)。】下記サイトに掲載済みです。

ワシントン条約の委員会評決

Date: Wed, 13 Jun 2007 20:47:47 +0900 私の【】意思表示のとおりになったということですね。 わが意を得たりとは、このことです。 下記は月曜終了時の状況(第一委員会での審議結果)。ユーロッパウナギとノコギリエイはそのまま本会議で承認されます。 ニ…

北大サステイナビリティ・ガバナンス・プロジェクト

6.12に札幌でSGPセミナーを行いました。その感想を受講者の一人がブログに書いていますので、紹介します。*1 *1:学者のたまご様、講師の松田です。過分のほめ言葉、ありがとうございます。あなたの将来に期待しています。

国際捕鯨委員会 日本代表団への書簡

Fri, 1 Jun 2007 23:22:24 +0900 (JST) ●●様 IWC脱退かと 国内紙では報道しています。沿岸捕鯨は既に絶滅の危機にあり、一年の猶予もなりません。南氷洋捕鯨はいつの日か国際合意ができてから再開すべきですが、沿岸捕鯨はわが国の権利であり、Whalersに対す…

ワシントン条約締約国会議の附属書改正提案

Date: Mon, 28 May 2007 11:15:31 +0900 トラフィックの第14 回ワシントン条約締約国会議の附属書改正提案に対する見解を興味深く拝見しました。賛成と反対が適度に混ざっていて、是々非々の姿勢がよくわかります。 その都度、このような見解をまとめても良…

Signon to End Harmful Fishing Subsidies at the WTO

Date: Tue, 8 May 2007 12:34:39 +0900I accept the following invitation. Please use my name and affiliation to End Harmful Fishing Subsidies at the WTO. Hiroyuki Matsuda Dear Colleagues: I hope you will add your name to the attached letter, …

Signon to End Harmful Fishing Subsidies at the WTO

Date: Mon, 7 May 2007 10:09:20 +0900 もちろん、そんなに甘くは行きません。 私の優秀な学生が今度、大手水産会社に内定したそうです。博士課程に進んでくれないのは残念ですが、日本の水産業を良くするには、国際取引が鍵だというのは正しいのでしょう。 …