生態系の取組みの10の神話

国連海洋法条約の非公式協議プロセス*1で、Murawski博士が「国連海洋法条約に関する生態系の取組みにおける10の神話」という講演をした。その内容を紹介しよう。以下はすべて誤った認識(Myth=神話)であるという。大変気に入った。
神話1 海洋資源管理における生態系の取組みは定義が不明確であり、それをどのように実施するか不明である。
神話2 生態系の取組みには管理体制と科学的支援の双方においてパラダイム転換が必要である
神話3 生態系の取組みのよき実践例は世界中どこの海にもない
神話4 生態系の取組みに必要な生態系の諸問題に答えるための情報はどの海域でも不十分である。
神話5 生態系の取組みの考え方は国家間で適用するにはあまりに難しく、技術と予算が工面できる少数の国でしか適用できない。
神話6 生態系的取組みを実施するためのよき原理と指針は存在しない
神話7 生態系管理の諸目的を達成したかどうかを判定できるような管理の基準と指標は存在しない
神話8 生態系の取組みには生態系の全構成要素の種間相互作用を考慮した複雑なモデルが必要である
神話9 生態系の取組みを定義するために必要な系の地理的境界を決めることは不可能である
神話10 海洋保護区は生態系の取組みの本質的な要素である
掲載を認めてくれたSteve Murawaski博士に感謝する
Date: Fri, 16 Jun 2006 12:25:42 -0400
Dear Steve
Thank you! I also attach a paper in Marine Policy.
I am satisfied if "definition of ecosystem approach is unclear" was removed from the document. Our panelists' mission is "demystifying ecosystem approach". I am a little bit disappointed about "co-management", this word is welcome by many delegates, but is not used in the document.
Best regards,
Hiroyuki

*1:United Nations open-ended Informal Consultative Process on Oceans and the Law of the Sea=UNICPOLOS