Date: Tue, 18 Nov 2008 12:36:04 +0900
横浜国大では、下記の学位論文公聴会を開催します。関心ある方の来聴を歓迎します。
堀野さんの主研究は、森林総研で実施していた大規模シカ柵の中にシカを入れるという壮大な実験です。密度のわかっている生息地でシカの密度推定法の検証およびシカの自然植生への影響などを正確に知るには、これ以上の方法はありません。
現在、私がかかわる野生鳥獣問題の一つに、環境省生物多様性調査があります。野生動物を管理するにはその数を知ることが必要であるという、誤った理解がいまだに普及しています。そのため、国会議員などからもこのような意見が出て、行政もさまざまな対応を迫られていると利いています。 堀野眞一さんはSimBambiという計算機実験ソフトを自作し、広く行政に利用され、その中で行政担当者自らがシカ管理の方法を考え実施していく体制を作るのに大いに貢献されました。これも、彼の学位論文の構成要素として、上記で紹介されます。
皆さんの来場を歓迎します。
あわせて、上記のような科学的リテラシーと科学者の社会的使命にかかわる、12月12日の国連大学でのシンポジウムへのご来場をお待ちしています。当日は環境省が勧める世界遺産管理の「知床方式」、あわら市の風力発電問題、カワウ総合対策事業などについてもパネル討論で紹介する予定です。