漁業の多面的機能について

Date: Wed, 11 Nov 2009 22:43:05 +0900

 学術会議でも、最近では多面的機能から水産を削除しているようですね(要確認)。
 とんでもないことですが、そのような見解があるのは確かです。
 とりあえず、水産総研の「あり方」サイトを紹介します。
http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr20/210331/
 生態系サービスの調節サービスの部分は、農地や日本の森林よりも、沿岸域のほうがはるかに高く評価されています。そのことは農業の方も知っているでしょう。(漁業がそれをどの程度維持するかは、さまざまなシナリオがあり、議論が必要ですが)

Date: Thu, 12 Nov 2009 01:22:14 +0900
> 「沿岸域の多面的機能」であって、「漁業の多面的機能」でない
 沿岸の生態系サービスが高い ということと それを支える漁業があると言うことはたしかに別の問題です。いわゆる「里海論」は、まさに沿岸の生態系サービスを支える漁業のあり方を述べています(定義した柳さんは、一次生産と生物多様性を支える人間活動といっているけれど)。生物多様性を支えるかは疑問ですが、生態系サービスを支える点は、異論はないでしょう。
 里山と【生物多様性に対して】同じ効能を持つとは私は言いません。里海と言う用語に(里山のアナロジーとしての)語弊があるとも思います。里山里海サブグローバル評価で、私が欠席した会議の場で「Satoyama and Satoumi are defined as...」と同時に定義されたときいてたいへん驚きました。しかし、漁業に多面的機能がないというのは賛成できません。

Date: Thu, 12 Nov 2009 11:09:37 +0900
たぶん、漁業の多面的機能を否定される方は、生態系サービスの大半が供給サービス(農林水産物など)ではなく、調整サービスなどであることをご理解いただいていないのでしょう。
 農水省の生物多様性への取り組みを見ると、IBM(総合的生物管理)など、多様性を利用した農業の話がほとんどです。これは逆です。もちろんIBMはたいへん結構なことですが、それ自体は持続的な農業生産性を高めるためのものであり、農業に直接貢献しない自然の恵みをはぐくむことを意図したものではありません。
 これでは、WTOでは通用しません。