Date: Thu, 29 Sep 2011 17:47:00 +0900
昨日、本学の鈴木学長が主査を務める「日本ユネスコ国内委員会 自然科学委員会 人間と生物圏計画分科会」において、宮崎県の「綾地域」をユネスコエコパークに推薦することが決定されました。
ユネスコエコパーク(Biosphere Reserve、BR)は、1971年から始まったユネスコ「人間と生物圏」(MAB)計画の取り組みの一つであり、生物多様性の保全、持続可能な開発、学術研究支援を目的として、1976年(昭和51年)に開始した制度です。今年はMAB計画40周年にあたります。
実現すれば、わが国では1980年に屋久島、大台ケ原・大峰、白山、志賀高原の4地域が登録されて以来、実に32年ぶりの新規登録になります。長い間冬の時代だった日本のMAB活動は、日本MAB計画委員会事務局を本学に設置するなどして維持してきましたが、ようやく、新たな時代を迎えようとしています。
詳しくはhttp://www.rinya.maff.go.jp/j/press/hozen/110929.htmlをご覧ください。
今夜中に、MAB計画委員会サイトhttp://risk.kan.ynu.ac.jp/gcoe/MAB.htmlにも掲載します。
しかし、上記の既存4BRの知名度は地元でも低く、1995年頃から改められた基準を満たさず、2013年頃にBRから別の範疇に移行する恐れがあります。それまでに既存BRのゾーニングや管理計画の改定を行うか、新規登録が果たせなければ、日本は世界のBRメンバーから外れるという「絶滅危惧」状態にあります。
貴重な自然を守りつつ、その周辺で自然資源を持続的に利用して利用と保全の調和を図るMAB計画は、日本の取り組みに即しているといえます。今回の綾町の推薦を契機に、日本のMAB活動の再興を図ってまいりたいと思います。