生物多様性保全を目的でなく、人間の幸福の手段とみなす

Date: Sat, 5 Sep 2015 12:08:18 +0900
 環境省推進費S-14では、「生物多様性保全を目的でなく、人間の幸福の手段とみなす」(ダムで防災するか、生態系の回復力を生かすかを同じ土俵で評価する)ことを目指しています。結局は、そのほうが主流化の近道と思います。(自然保護という結果を決めてから議論したがる人にとって私は「危険人物」かもしれないが、内向き志向では主流化は図れない)
 日本生態学会でも、生態系管理委員会では「アウェーで攻める」を合言葉にしています。

 【9/2】まではユネスコMAB計画の新行動計画作りでパリにいました。私は、SATOYAMA Initiative PartnershipをMAB計画と連携する(2010年COP10決議でもある)のがよいと思っていますが、環境省はなかなか連携を図りません。MABの国際会議でSATOYAMAのパンフレットを配りますよと言っても返事がないのは解せませんでした。【】Site-based Participatory ApproachというMABの基本理念は、必ずしもCBDなどでは生かされていないと思います。【逆に】SATOYAMAには、今のMABにないいろいろな要素があると思います(地球研ILEKプロジェクトにも通じます。ILEKは環境省S-9には全くない要素が多々あります)。むしろ、【SATOYAMA運動よりも】MAB計画そのもので日本の存在感を高めるほうが近道だと思うようになりました。
 日本ユネスコエコパークネットワークは、ジオパークネットワークと同じく地域の自主的な組織です。これは他国のMABネットワークにない(外部資金に頼っているため、地域が受け身で必死さが足りない)。政府が組織したユネスコ国内委員会のほかに自主的な計画委員会という組織が日本のMAB活動を支えているのも、大きな特徴です。【】