屋久島MABの今後について

Date: Fri, 18 Nov 2011 10:16:26 +0900
 屋久島ユネスコエコパーク(BR)と世界遺産管理計画についてのお願いです。日本ユネスコエコパークネットワーク(現在の活動実態はメールリスト)に参加いただけませんか?【】ユネスコ本部にある屋久島BRの連絡先は環境省屋久島事務所【】になっています。よろしくおねがいします。
 また、日本の4BR(白山、志賀高原、大台ケ原大峯山屋久島)はどこも古いBR設計(核心、緩衝地帯はあるが持続的利用を目指す移行地域がない)であり、地元管理体制の実態がないことから、登録抹消(世界BRネットワークからの除名)の危機にあります。2014年が見直しの時期(マドリッド行動計画の最終年)が節目です。http://d.hatena.ne.jp/hymatsuda/20110909
 我々ユネスコ国内委員会は、とりあえず一つでも移行地域設定に向けて取り組み、BRを維持したいと思っています。一昨日、志賀高原で話し合いを持ちました(青柳保護官もシンポジウムでコメントいただきました)。地元観光協会は強い意欲を持っていただいていますが、群馬県側も含めた合意形成は大変困難です。

 その点、屋久島は、地元がその気になっていただければ(ここが問題)、世界遺産と組み合わせれば、Stakeholderが同じなので、うまくいくと思います。
 今回、県もヤクシカ計画策定に動き出し、林野庁も含めて世界遺産としてもシカ管理に乗り出しています。岡野さんが紹介されたように、屋久島環境文化村構想はBRに共通します。BRを維持していただくほうが、世界遺産にも、屋久町自身にもメリットがあると思っていただけるかもしれません。
 今回、世界遺産管理計画の見直しの時期のようです。BRを維持するならば、別に管理運営体制を組むことはとても効率的とは思いません。世界遺産地域はほぼBR核心地域に一致しており(移行地域設定の際に、核心地域の境界変更も可能と思います)、移行地域の管理(これはBR独自)と連携させることができるでしょう。
 というわけで、私としては、世界遺産管理計画に、もう少しBRについて位置づけていただくように希望するつもりです。また、BRからの脱退、新たな学術的カテゴリーへの移行、BRとしての管理体制と移行地域の設定のどれを選ぶかを、県、町、環境省林野庁に改めて伺いを立てるつもりです。 もう少し時間をかけるつもりでしたが、【世界遺産の新】管理計画ができてしまうならば、少し急がないといけません(BR脱退が前提ならば、その必要はありません)
 前回の屋久世界遺産管理計画の中のBRの記述は下記だけです。
遺産地域にかかる保護の歴史は古く、一九二二年に国有林において学術参考保護林が設定されたのを皮切りに、一九二四年に「屋久島スギ原始林」として国の天然記念物に指定一九五四年、特別天然記念物に指定替え)され、一九六四年の国立公園への編入、一九七五年の原生自然環境保全地域の指定、一九八三年の国立公園の拡張、一九九一年の森林生態系保護地域の設定と順次保護のための施策が講じられてきた。また、遺産地域は「人間と生物圏(MAB)計画」国際委員会に承認された生物圏保存地域と大部分が重複している。【】
 よろしくご検討、ご助言をお願いします。

Date: Thu, 1 Dec 2011 23:51:06 +0900
 屋久島については、世界遺産二重登録されていますから、別個に管理運営主体を作ることが効率的とは思いません。もちろん、世界遺産地域以外の持続的利用を図る取り組みがMABでは重視されますが、それは核心地域の保護と両立させるわけですから、完全に独立にするのではなく、何かよい仕組みを作ることができればよいと思います。こちらでも検討いたしますので(以前、屋久島科学委員会の組織図にMAB委員会に線を引いた図を提案させていただきました)、議論にお付き合いいただければ幸いです。