新感染者数を減らすことが重要ではないか

 

2020/3/23 下記サイトは間違いもあるかもしれないので、専門家( たとえば中澤港さんのサイト)を読んでください。

2020年4月1日 岩田健一郎さんの指摘

「日本は、ドイツなど一部の国と違い、そもそも感染者の全数把握を目指していないことに注意すべきだ。」「感染経路が分からない人が新たなクラスターを作り、感染経路の捕捉や抑え込みができなくならないようにするのが大事だ。」「当初から指摘しているが、無症状の人や軽症の人は入院すべきでない。対処すべきは患者で、ウイルスではない。」「私が勤務している病院では、新型コロナウイルスの患者やその疑いの患者を診察する際、聴診器は使っていない。」

2020年3月30日 小野昌弘氏のサイトにある英国の感染防止策

小野昌弘氏のサイトにある英国の感染防止策は参考になります。まず、彼が引用している英国政府通達から

Stay at home

  • Only go outside for food, health reasons or work (but only if you cannot work from home)
  • If you go out, stay 2 metres (6ft) away from other people at all times
  • Wash your hands as soon as you get home

Do not meet others, even friends or family.

You can spread the virus even if you don’t have symptoms.

 小野昌弘氏のサイトによれば

1. 食料品など生活必需品以外の店はすべて閉鎖、

2. 市民は食料品・薬等の買い物・散歩など1日1度の運動のときだけ外出可

3. 通勤が必須であるごく一部の例外を除き自宅勤務

4. 公共の場での二人以上のいかなる集会も禁止、結婚式・宗教集会などいかなるイベントも禁止

5. これらを守らない場合は警察による罰金や介入がありえる。

そして外食産業に対して通常の店舗営業を禁止し、店舗には入らない形での持ち帰り用販売のみ許可する政府通達がでる。これに伴い、多くのレストランならびにほとんどのカフェやファスト・フードは閉鎖した。スーパーマーケットや薬局など最低限の生活に必要な店のみ残された状態になりつつある。

  この、通常ではない店舗営業は、日本でももっと早くやってよかった。中国では早くからそうしていたし、タクシーの運転席と客席も遮断していた。外出禁止とか営業禁止などばかり報道されるが、経済活動を維持しながらでもやれることがあったはずだ。

 

 

2020年3月25日 10:14緩和策(集団免疫獲得策)と抑え込み策

感染症対策には緩和策(集団免疫獲得策)と抑え込み策があり、どちらをとるかが大きな分かれ道です。最初英国は前者を公言していたが、事実上撤回に追い込まれている。安倍首相もそれに近い発言(ピークを遅らせる)をしていたが、専門家会議の勧告は抑え込み策です。

・抑え込み策は感染者が広がり始めると社会活動の大きな制約を伴い、成功するとは限らず(武漢、中国、北海道では成功か)、世界中が沈静化するか特効薬普及まで抑え込みの継続が必要。

・緩和策は一時的に膨大な患者と死者【】を伴う。しかし、一度集団免疫*1を獲得すれば、他国で流行が続いていても、免疫獲得者は通常の活動をほぼ再開できる(未感染者は引き続きある程度の注意が必要)。【】
 

 今回の場合、どちらが合理的かはわからないし、抑え込みができるかどうかによっても、国によっても、違うでしょう。日本では、北海道で成功しつつあるようなので、抑え込みに期待していると思います。

 英国の報告書によれば(あくまで英国の場合の試算だが)、緩和策には休校はほとんど効果がない。抑え込みには休校も必要【とあるが…(以下参照)】

2020/3/24 中澤港さんのサイトにある英国王立大学サイト第9報の紹介(20200318追記)が重要。緩和策(集団免疫獲得)戦略と抑え込み戦略という根本的に違う選択肢があり、そのどちらをとるかが分かれ道。第9報では患者隔離、自宅隔離、70歳以上接触回避、全人口対象の社会的距離策など様々な要因の効果を分析し、緩和策での医療崩壊の度合い、抑え込み策に必要な方策などを英国の事例で定量的に分析している。ただし、中澤氏はその信頼性を疑問視(「この結果の数字は,信用しすぎない方がいい」)。 

2020/03/22 8:01 日本の戦略は緩和策か抑え込み策か

情報感謝。私にはまだ国の戦略がよくわからない。

1)抑え込みを諦めて集団免疫を目指しているか?否
2)ピークを遅らせる戦略か? 否。これは集団免疫戦略の発想
3)クラスターの摘出と抑え込みは可能か? 困難だが努力中(北海道では成功?)
4)社会全体の人間活動を制限して感染者を減らすか? 武漢では可能だった(要確認)
 
日本がどの戦略を取っているのか実はよくわからない。1や2でなく、3か4だと思います(3でも、ある程度4の手法も併用)。現在の活動自粛は2の手段でなく、4の手段。そう思っていない識者も多い。
3と4は地域によって使い分けても良い。それぞれの地域がどこで、それぞれでどうするかが専門家勧告ではわからない。
そして、感染者をかなり減らせたか(その見極めの基準が必要)、まだほとんどいない地域では、より一般的な衛生管理で良いはずです。(この両者の対応を分けるようにも読めるが、その理由が不明)
さらに、集団免疫を獲得した地域がもし出てくれば、もっとずっと緩い対策で良くなるでしょう。
4という方針が成功し得るなら、これは後からでも可能なはずです(効果が出るまで2週間の時間遅れを覚悟)。
 
いずれにしても、日本が集団免疫を獲得していない以上、あるいは世界中で抑え込みに成功する目処が立たない以上、対策は当分必要でしょう。【】
 

2020/3/22 中沢さんのサイトを見ると丁寧に書いている。少し長いので、これから要約するのでしばしお待ちを

 

2020/3/21 この日の理解

素人考えだが、新感染者数を減らすことができている地域がある。先週までは全国の新感染者数は減る気配がなく、高止まりしているように見える(厚労省)。重要なのは「ピークを遅らせる」ことではなく、新感染者数をへらすことではないか。どなたか教えてください。

・最も避けるべきことは医療崩壊(特に「集中治療必要患者数」>「集中治療可能患者数」)だろう。通常の指定感染症の場合は感染経路を追跡し、患者とその接触者を隔離・注意することで新感染者を抑えるが、今回は(潜伏期間中も感染する可能性などがあり)それでは不十分で、大発生を食い止められていない。しかし、感染者数がある程度増えた後でも、社会全体の人間活動と濃厚接触を制限することで、新感染者数を抑えることができている地域がある。この成功例に学ぶべきだ。

2020年3月21日 12:34

 ・日本などで「大発生」が起きていないのは、集団免疫を獲得したからではなく、人間活動(濃厚接触)を減らすことで感染率を下げているから。

・だから、Active感染者数(累積感染者数から治癒者と死者を除いた数)が激減しない限り、あるいはかなり後に集団免疫を獲得しない限り、対策を緩めれば大発生は起きる。Active感染者を減らすことに成功した地域は、その努力を続けていれば、収束に向かう可能性がある。

・Active感染者が漸増している限り、「Outbreakのピークを遅らせる」【医療崩壊を防ぎ、治療法開発に期待する】ことはできるが、収束することはない。かなり後に集団免疫を獲得するまで待つことになる。

・未大発生地域、大発生地域、収束地域(+集団免疫獲得地域)に分けるのはよいと思う。

1.未大発生地域は衛生に注意して大発生を予防する。

2.大発生地域は大幅に人間活動を制限して新感染者数を減らすことに努める(他地域の教訓から、それは可能だろう)。

3.収束地域は、人間活動をある程度再開し、未大発生地域と同様の対応とする。

4.集団免疫獲得地域は、域内での接触制限を緩めることは可能。未感染者(免疫未獲得者)は引き続き、特に域外との接触には注意したほうがよい。

 となると、1(=3)と2および4でそれぞれどうするかの指針があればよいことになる。 すでに中国(特に武漢)とか北海道など、新感染者数を減らす成功例があるのだから、それぞれで具体的にどんな対応すべきか、わかってくる気がするのだが。【成功事例の対策すべてが有効とは限らない。そこを吟味すればよい。具体的な対策の成否の指標は、Active感染者数(特に重症者数)を減らすことだ。Active感染者数を減らせなければ対策を強化する(効果検証に潜伏期間最大2週間の時間遅れがある)。これらの方針は可逆的に変更可能な順応的管理になるはず】

*1:集団免疫とは、感染者一人が病気を移す平均数R0の場合に、1-1/R0の割合の人が免疫を獲得すると沈静化に向かうこと。R0=2.5なら6割が免疫獲得すればよい。