捕獲数を用いた個体数指数の推定方法

 来週から、IWC科学委員会が開かれます。
 先週、札幌でエゾシカ保護管理計画の検討会が開催されました。エゾシカも、IWCよりずっと簡便な(道路沿いの)目視調査により個体数指数を毎年出していますが、やはり推定誤差(想定したCV以上の誤差)に悩まされます。2003年は過大評価、2004年は過小評価でした。
 そこで、Matsuda et al. (2002)では、個体群動態モデルと目視調査を組み合わせて、より安定した指数を出すようにしました。去年からこれが最も信頼性の高い指数となりました。 下記はその原型で、いまはベイズ推計の枠組みで農環研の山村光司さんが計算しています。その論文はまだですが、クジラでも似たようなことができるのではないかと思います。絶対数はうまく推定できないでしょう。しかし、目視調査の増減に惑わされない、より安定した指数を出すことは可能だと思います。
Matsuda H, Uno H, Kaji K, Tamada K, Saitoh T, Hirakawa H (2002) Harvest-based estimation of population size for Sika deer on Hokkaido Island, Japan. Wildlife Society Bulletin 30(4):1160-1171. http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/publication/02WSB.PDF

H17年第1回検討会(指数検討部会)検討結果について(要旨) http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/skn/sika/ken/ken1.htm