河井智康さんを偲ぶ

Date: Thu, 1 Jun 2006 08:45:43 +0900
○○さん
 さて、昨日の新聞に河井智康さんが焼死したと報道されました。葬儀など、情報ありましたらお知らせください。
【以下追加】
 ○○テレビからも取材の留守電がありました。私は、個人的には河井さんとそれほど親しくお付き合いする機会がありませんでしたが、中央水研時代にはたいへんお世話になりました。私は水産分野の生え抜きではなく、1989年に水産研究所に移動する際には故人の石岡清英室長と河井さんに挨拶し、マイワシの資源変動理論について研究するよう提案されました。たまたま私の出身大学のある先輩が河井さんの「イワシと逢えなくなる日」を読み、酒席で彼の魚種交替理論を紹介していただきました。そのおかげで、着任した週に3種競争系の数理モデルに基づく魚種交替理論「3すくみ説」を思いつき、水研で研究する手がかりを得ることができました。今でも、私はこの説を唱え続けています。
 今回の河井さんの焼死事件は、毎日新聞余禄でも取り上げられ、衝撃的な事件でした。彼は後進に厳しいところもありましたが、私がマサバの最適漁獲方針の話をしたときにも励ましの言葉をかけていただきました。また、捕鯨問題で私や反捕鯨団体の活動家まで呼んだシンポジウムを企画していただいたこともありました。このときは、私と同様、管理捕鯨に賛成だが、日本政府の鯨害獣論には批判的な意見を持っていらしたと思います。
 二十一世紀の水産を考える会を主宰し、社会的にも水産業と資源管理にたいへん尽力されていた方でした。ご冥福をお祈りします。