四国におけるツキノワグマの絶滅確率について

Date: Fri, 29 Dec 2006 12:51:00 +0900
ツキノワグマの絶滅確率ということでしたら、(1)過去に何頭いたか,(2)生命表データ、(3)現在の推定頭数などが知りたいです。学術的(生態学者の調査による)データは必須ではありません。ほとんどのRDB種はそのようなもの無しに判断しています。IUCN Redlist基準でも「(減少が)推定、推測、予想される場合」などという「不確かな」文言が多用されています。RAMASという個体群存続可能性分析(PVA)を行うソフトでも、わからないものはわからないなりに計算します。
 個体数は「ざっくり」した推測値でもかまわないでしょう。あとは減少率ですね。昔は何頭いた、あるいは今よりたくさんいたという推定値はありませんか? 既往文献の生命表データを使う手もあります。
 いずれにしても、わかるなら、年別捕獲数(雌雄別、さらに欲を言えば年齢別)があるとありがたいです。これがあれば、推定個体数を見直すことも可能でしょう。(自然死亡率だけでなく、捕獲死亡を考慮すべきです)
 問題は、今でも(潜在的な)生息地が狭まっているか、駆除圧が大きいかなどでしょう。PVAの鉄則は、難しく考えすぎないことです。

Date: Fri, 29 Dec 2006 17:20:32 +0900
1.四国の個体群は昔からほぼ孤立して自立していたのでしょうが、そのときにもせいぜい数百頭、あるいは千頭くらいで、その十倍と言うことはなさそうですね。
2.現在では生息地が東に限られ、そうなってからは数十年程度しかたっていない。
 とすれば、たとえ捕獲をなくして保護しても、絶滅リスクはそれなりに高いかもしれませんね。500頭いれば1万年以上存続できるとしても、50頭なら存続は危ういと思います。

Date: Thu, 4 Jan 2007 15:42:11 +0900
 想像ですが、お話を伺う限り、西四国の生息地を失って数十頭まで減ったのはおそらく戦後のことで、数十頭で中世からずっと維持されていたのではないと思います。したがって、今数十頭だとして、それが「定常状態」とはいえないし、生息地がこれ以上奪われなくても、今の個体数で存続できるとはいえないと思いました。はっきりと増えていない限り、絶滅の恐れがかなり高いことに変わりはないと思います。