放射線リスクの大本の間違いは、平常時を目指したこと

Date: Sun, 4 Mar 2012 07:49:53 +0900
 昨夜のNHKテレビと今朝の(毎日新聞)報道を見ると、原発避難区域の病人や高齢者が避難して死亡した事例が多かったことが浮き彫りになりました。【】
 当時としては、20km県内からの緊急避難はやむを得なかったかもしれません。【】
 しかし、29日【横国大シンポジウム】の議論にあったように、緊急時や現在に、平常時と同じ安全と安心を求めることは大きな間違いだと思います。当日も申しましたが、戦後最大の危機という表現と、平常時と同じという較差が大きすぎる。1年で平常時と同じことが目指せるなら、そもそも戦後最大の危機ではないし、原発事故は大したことがないということになります。取り返しがつかない事故だからこそ、原発は見直すべきなのでしょう。
 これも、不浄と穢れの二項対立の賜物だと思います。それでいて、この国が喫煙を合法化し、分煙でない食堂を市民が許容しているというのは、私には理解できない。
 食品だけでなく、がれきも、除染も、すべて、わずか1年で平常時と同じ基準を目指すことによって、身動きがとれなくなり、結果として、レベル7で汚染された地域の【】対策が滞り、そのリスクを下げるために自分のリスクを少しでも上げることを拒む世論と政策が全国に広がってしまった。