Date: Mon, 5 Nov 2012 05:11:02 +0900
近日中に下記サイトに報告書と紀行文を添付します。
http://ecorisk.ynu.ac.jp/matsuda/2012/Iran1210.html*1
イスラム社会では、ネクタイはしないほうがよいのですね。酒は事実上持ち込めたように思いますが、持ち込みませんでした。しかし、酒がなくても暮らせることがわかりました。トイレは最後までうまく使えませんでした(東南アジアと同じ形の「ビデ」方式)。
おっしゃっていたように、「テロ支援国家」とは全く思えない自由な国で、受け入れ態勢が万全なせいもありますが、不自由なく滞在することができました。ありがたいつながりができました。
イランは広大だが、多くは荒野だ。テヘランやイスファハンは高地にあり、東京と気温が変わらない。テヘラン空港は国際空港(ホメイニ空港)と国内空港が離れていて、わざわざホルムズガン大学テヘラン事務所の先生が迎えにきてくれた(ついでに考古学博物館を案内してくれた)。しかし、港町バンダルアッバスは蒸し暑かった。
イランは米国からテロ支援国家とされているが、少なくとも大学にいる限り、きわめて自由で民主的な雰囲気にあふれている。公然と政府の政策を批判することも自由だし、現在のイランが国際制裁によって経済が打撃を受けていることや、将来への夢なども、率直に語っていた。初日の初めはイスラム教の音楽から始まり、女性はみなチャードルかマーントーを着ているが(黒以外の人もいた)、質問も活発だし、私を囲んだ集合写真撮影もほぼ全員から求められた。口々にアメリカのイランに対する態度はきわめて不公正であり、欧米のイランに関する報道は嘘だらけだと言われたが、同感だ。シオニストはイランの科学者をも暗殺していると聞いた(旅行ガイドには、かつてユダヤ人をバビロン捕囚から解放したのはペルシャだと載っているが)。今年は特に経済政策がひどく、クレジットカードも使えない。「国内生産(振興)の年」となっているらしい。反米で核開発をしているというだけでテロ支援国家というのはあたらないだろう。困っていると正直に言っていたが、悲壮感はなく、自由に自分でものを考えていると感じた。
【そういえば、来年からはミカン類の持ち帰りが禁止されるみたいです。イランの果物にもミバエが寄生し始めているらしい。今回、柘榴を持ち帰り、検疫で教えてもらいました。】
*1:2016年このサイトに移動