ESG投資と排外主義(続)

2018年7月26日 13:06
ESGでは,環境だけでなく労働条件なども評価されます(ナイキ事件で学んだCSR
動物福祉団体の圧力への対応も(欧米では)重要です。(サステナブルジャパン
【】「環境」団体や「動物福祉」団体はこのような圧力をかけ,それがかなり力を持ち始めています。日本はまだ少ないので,「遅れている」とも言えます。
 たとえばマクドナルドは水産物は欧米ではすべてMSC認証水産物【のよう】ですが,日本のマクドナルドでは実施していないようです。(MSCジャパン
 ウナギについて,石倉かごを使う取り組みは環境省も推奨しているはずですが,グリーン(ブルー)ウォッシングと非難され始めています(松田2018.6.22)。
 しかし,このような欧米の動きを全部受け売りするかは別問題だと思います。(松田2018.7.16「ESGと排外主義」)ただし,そんな危惧を公言している人間を,私以外には知りません。【ESGではないが,山下一仁WEBRONZA 2013.9.3 では“FTAの本質が「差別」にある”としています。自由貿易の仲間にならないと排除されるという意味で,特定の環境規範に従うという趣旨は述べられていません。Pearce 2015「外来種は本当に悪者か?」は自然保護の名のもとに一部の人間に不利益が生じると論じています。ただし,著者のいう外来種問題の捉え方には大いに異論があります)
 いずれにしても,ESG基準は国際条約のように法的拘束力もない代わりに加盟国の留保権のようなものはない(この点はIUCN決議も同じ)。ある認証基準を仕掛けるものが世界標準を作れてしまう。それに沿わない投資は,結果として損をし,多数派が同調せざるを得ない仕組みがある。】
 いずれにしても,皆さん自身が大事なことだと判断されたこと【環境規範】を【他人にどこまで押しつけるかは別にして,皆さん自身は】大切にすればよいと思います。