Date: Fri, 6 Jul 2018 15:38:18 +0900
【環境省のESG金融懇談会の資料】ありがとうございます。
近年,投資側が企業の環境配慮と労働条件などの社会的配慮や責任等を評価して指標化し,その指標によって投資相手を選ぶ傾向があるわけですが,他の投資家が投資しないところには投資しないという傾向があるように感じます。それを見越して,環境団体などが企業批判を行うことが効果を持ち始めているように思います。
単に,各投資家が自身の基準で投資先を選ぶならばよいのですが,他者が投資しないところへの投資にリスクがあるとすれば,このような指標は,ある規範を満たさぬものを排外するという「差別」の仕組みを持っていると感じました。差別もまた,自分の判断でなく,他人に差別される者に近づくのは危険であるという仕組みで増幅されます。評価指標が妥当ならばかまわないと思われるかもしれませんが,力学としては同じでしょう。そして,環境団体などの不買運動等はそのような排外活動と同じ構図になると思いました。環境規範は必ずしも普遍的でも絶対的なものでもないが,指標として採用されれば,大きな力を持つことになるでしょう。
以前,福島原発事故の後で,福島県民の女性は放射能汚染のために結婚しないほうが良いと公言した環境団体のリーダーがいました。本人は科学的根拠があると信じているのでしょうが,環境団体の主張が差別と同じ仕組みを持っていることに無自覚であることは,危険であると思いました