Date: Sun, 8 Apr 2007 08:23:38 +0900
将来計画WG各位
【】この際ですから、率直に私見を述べます。【】私は、【個体群生態】学会はすでに歴史的使命を終えているという危機感を持つべきだと思います。会員数は漸減程度ですが、本学会を主な活動拠点とされる会員は大幅に減っていると思います。明確な根拠はありませんが、本学会の第一世代が定年を過ぎているというのは、その根拠になるでしょう。また、【本学会誌よりも他の雑誌のほうが】人気が出てくるとすれば(すでにそうか、今後もそうかは不明)、それが次の節目でしょう。
もちろん、変革すれば、【】活力を取り戻すことは十分に可能です。しかし、以下に述べるように、10年前から今まで、残念ながら、その多くの機会を逸してきたと思います。
おおかた2年前の将来計画WGから意見してきたつもりですが、私の現状認識は以下の通りです。
1.個人会員の立場で言えば、活躍の舞台はこの学会よりは、生態学会のほうが魅力的です。この学会は、大会企画者以外にとっては、シンポジウムや自由集会のような魅力ある提案ができる場がありません。多様な意見やマイナーな活動を生かす機会に乏しい学会だと思います。合宿形式をやめることと同時に、企画を複数にして公募するとか、それができないなら一般講演を重視する形式に改めるべきでしょう。幸い、この学会には現在の「生態学の権威」が数多く参加しています。若手の一般講演を聞いた後で講評して討論するような場があれば、盛り上がるかもしれません。
2.以前から指摘しているように、この10年間の保全生態学の興隆に、実践的にも理論的にもこの学会の貢献度が非常に低かった。保全生態学の核心が個体群生態学であったにもかかわらず、時流をつかみとることができなかった。これは基礎を軽んじるなという問題ではありません。保全でも、個体群学会ならではの突っ込んだ基礎研究が可能だったはずです。
3.今でも、保全を真っ向から掲げるような特集は、大会で組まれていないと思います。この学会に来なければ最新の保全生態学がわからないということにならなかった。
4.「2」の裏返しですが、生態学会全国委員の半数程度を個体群会員が占め、生態学会の中枢を担っている。これは20年前にはなかったことです。その意味では、この学会の個体群生態学活動は大成功している。しかし、若手で個体群に興味を持つ人は、いまや、この学会の外にいる。そして、実は彼らの多くは個体群を基礎から学んでいない。
5.永年会員制度という、齢構成を考えれば長続きしない制度を設け、維持していることも大きなマイナスです。
すでに、この学会は第一世代と第一世代を知る私を含めた第二世代の同窓会と化しつつあります。Pop Ecolは確実に制度改革を続けていますが、問題は学会が夢を会員に与えられるかでしょう。【】
昔、当時の私より若手の覆面座談会で「個体群生態学はすでに終わった」と会報に載りました。それは保全生態学の興隆の前でした。10年という尺度で見れば、上記の覆面意見は的外れだったと私は思います。しかし、この学会が新たな時流を掴み損ねたこと、今も掴めていないことは確かでしょう。
もちろん、それは私の責任でもあります。
Date: Mon, 9 Apr 2007 09:10:01 +0900
将来計画WG各位
どうも、皆さんとは危機感の感じ方が異なるようですが、これは2年前から同じでした。【】若手を入れた将来計画WGだからこそ、将来を見据えた根本的な議論をすべきだと思いますが、一人で力んでも仕方ありませんから、やむをえないでしょう。【】
大会のあり方として、
1) 合宿形式をやめるとともに
2) 一般講演を主体とする
3) 一般講演は審査する(限られた数だけ口演とし、あとはポスターにまわす)。当面、一会場制度を維持して(臨機応変)、参加者全員に聞いてもらえるようにする。そして、最後に数名の「権威」が講評し(【】特定の企画口演だけでなく、一般講演に対して行う。ポスターも含めてよい。【ある】文系の学会では座長の事後講評が定番です)、全体で総合討論する(この時間を長めに取り、参加者全体の印象を高める)。
一般口演応募では、「(MC、)DC、PD、一般」と段階に分けて審査しても良いと思います。【】これなら、口演自体が名誉になります。もちろん投稿を義務付けても良いでしょう。