Date: Sun, 10 Jun 2007 08:56:45 +0900 (JST)
間際で恐縮ですが、6月12日に北大サステナ(SGPサステイナビリティ・ガバナンス・プロジェクト)の主催で「講義」をすることになりました。「知床世界遺産海域管理計画とこれからの日本の環境・水産行政」15:30-17:00です【札幌北大構内】。この講義はスペースコラボレーションシステムを通じて函館水産学部にも同時放映されるそうです。【その中で以下のスライドを使わせてください。】
中西準子さんは 2006.1.20の「詳細リスク評価書が開いた扉」(PDF公開)から、化学業界でも自主管理の重要性を説いた部分
小松正之さんは 2007.4.13横浜国大で講演された際の 「マグナソン・スティーブンス漁業保存管理法」および「水産資源の共有財産を定めている法的規定の例」(およびITQなどの制度の国際比較)(引用)
牧野光琢さんは 日本の自主管理漁業制度について論じたもの(引用)
さて、高木委員会の方針を高く評価されているようですが、私には、単なる欧米化に見えます。特に、漁業権を特権として否定する方向に見えます。資源の持続的な利用を目指すうえで、自由参入・自由貿易はマイナスであると私は思います。沖合い、遠洋漁業については、TACやITQの導入はよいと思いますが、せっかくうまくいっている(数少ない)日本の沿岸漁業の良い側面を破壊することが心配です。明治時代の【英米型の漁業法制度を導入して大混乱に陥った】失敗を繰り返すのではないかと危惧しています。
【漁業における】自主管理の推進は、国際的にも評価されつつあると思っています。消費者が賢明な選択をすれば、自由参入を含めた自主管理でも大丈夫という考えもあるかもしれませんが、水産業については、ほとんど非現実的だと私は思います。
この点については、【】後日、改めて議論したいと思います。