知床世界遺産科学委員会鹿WGメール会議

核心地域シカ死体処理問題(1)
発言者: 松田 裕之- 2007/04/03 23:44
問題を二つに分けて議論したいと思います。
1)死体の「大量」放置が猛禽類に与える影響について【=略】
2)法的または行政的判断として、死体放置はできないという意見について
 【】今回は、2点目に付いて私見を申します。
 まず、環境省として、知床岬のシカを大量(雌150頭程度を3年間以上)捕獲する場合、【死体】放置ができないとすれば、回収する予算措置が取れるのですか?
 方法は【採算を度外視すれば、技術的には】いろいろ考えられます。【】
 我々は、できないことを提案するつもりはありません。法律の専門家ではありませんから、放置できないという判断を行政としてするならば、私はそれに反対【】できません。
 しかし、我々が岬のシカを自然の推移にゆだねるべきではないと判断したのには科学的な理由があります。そのときの判断は、岬の自然植生にシカ食害によって不可逆的な影響が出る恐れがあるという判断でした。【】
 放置するほうが生態系過程としては自然であるというのも、シカWGとしての一致した意見です。しかし、それができないということになりました。
 その場合、(1)の猛禽類への影響については喫緊の課題ではなくなります。しかし、自然認識の問題として重要ですから、科学委員会としても議論すべきだと思います。
 私としては、放置せずに回収しても、密度操作実験を行うべきだと思います。(暖冬の今年なら、岬に船で接岸できたのでしょうか)【】
 今までの議論を踏まえ、以下の選択肢があると思います。
1)岬で密度操作実験を行い、死体を回収する(あるいは密度操作実験を行ったうえで法的に可能な方法をさらに模索する)
2)他の3地域のうちどこかを先に密度操作実験を行う【】
3)密度操作実験を当面行わない
 私の意見としては、上記の1,2,3の順に優先順位をつけて検討いただきたいと思います。
発言者: 松田 裕之 - 2007/04/04 13:32
知床岬での捕獲個体の処理に関して
【1−9まで省略】
10. 死体放置が法的行政的に不可能な根拠として鳥獣保護法第18条が添付されましたが、第18条には「適切な処理が困難な場合又は生態系に影響を及ぼすおそれが軽微である場合として環境省令で定める場合を除き」とあります。今回は適切な処理が困難な場合に該当し、かつ生態系に影響を及ぼす恐れが軽微(あるいは回収するほうが影響が大きい)場合に該当します。困難な場合についても省令で定めているのでしょうか?【】第19条1項には、まさに知床岬の事例に該当することが明記されています。私は法律の専門家ではありませんが、18,19条を根拠に法的行政的(この両者を区別して説明いただいていません)に不適切なのか、ますますわからなくなりました。むしろ可能であると私には読めます。この法律判断を下さった法律専門家のお名前を教えてください。また、【法的だけでなく】行政的に不適切ということの根拠を改めて説明してください。