生態リスクCOE第40回公開講演会
開催日時: 2010年2月10日(水) 13:00〜15:00
開催場所: 横浜国立大学 環境情報3号棟101室
アクセスは下記のURLを参考にして下さい。
(http://www.ynu.ac.jp/access/acc_index.html)
http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2010/100210COE.pdf
講演者:佐竹暁子(北大・創成/JSTさきがけ)
演題: 一年草と多年草と双安定:遺伝子発現制御と貯蔵資源動態
植物は、日照時間や温度などの環境変化に応答することで、適した季節に花を咲かせる。シロイヌナズナのFLOWERING LOCUSC(FLC)は、低温シグナルへの応答において中心的役割を果たしている。一般に、花成抑制遺伝子であるFLCの発現量は、夏期の高温状態では高く開花が抑制されているが、冬期に長期間の低温を経験することによって緩やかに低下し、春先に花成が誘導され る。FLC遺伝子の発現は、ヒストンのメチル化やアセチル化などのエピジェネティックなメカニズムによって制御されているが、この仕組みによって春の気温上昇後にも発現量を低く維持し、冬期の長期記憶として細胞分裂後も安定に引き継ぐことを可能にする。しかし、この安定的な発現抑制を可能にするヒストン修飾機構は不明である。
本研究では、FLC遺伝子座におけるヒストン修飾の数理モデルを開発し、各細胞レベルでFLC転写の抑制状態と活性化状態が力学的に双安定となることが、個体レベルでの安定的な発現抑制に必須であることを示す。また、分子遺伝学と数理生物学からの知見を統合した数理モデルを開発し、シロイヌナズナ近縁種を対象に多様な開花戦略を調節する分子機構についても理論的に検討した。
参加無料 事前申し込み不要です。興味のある方はどなたでもご参加ください。
主催: 横浜国立大学グローバルCOE 「アジア視点の国際生態リスクマネジメント」
◎連絡先:240-8501 横浜市保土ヶ谷区常盤台79-7
横浜国立大学環境情報研究院グローバルCOE(生態リスク)事務室
電話/FAX:045-339-4497 E-mail:er-coe3@ynu.ac.jp