生態リスクCOE公開講演会 横溝裕行さん

◆開催日時: 2009年5月29日(金) 16:00〜17:30
◇開催場所: 横浜国立大学環境情報3号棟101室
アクセスは下記のURLを参考にして下さい。
http://www.ynu.ac.jp/access/acc_index.html
講演者:横溝裕行(国立環境研究所環境リスク研究センター研究員)
演題:「外来種の最適管理戦略の数理的研究」
◆講演要旨◆
[1] 外来種の密度と経済的インパクトの関係を知ることの重要性
外来生物の密度を減らす事を目的とした管理モデルのほとんどは、外来生物の密度と農業や生物多様性に与える負の経済的影響の関係が明示的に取り込まれていない.外来生物の密度と経済的影響の大きさの関係は、正比例の関係にあるとは限らず、様々な関数形があると考えられる.外来生物の密度を減少させるがコストを伴う管理努力量の最適値を導出し、外来生物の密度と経済的影響の関係が最適な管理努力量にどう影響するのかを解析した.また、この関数形を誤って用いることによってもたらされるコストを情報の価値として計算することによって、外来生物の密度と経済的影響の関係を研究することの重要性を定量化し明らかにした.
[2] 商用外来植物の経済的リスク評価
園芸植物などの商業的に有用な植物が海外から意図的に持ち込まれている.しかし、その商用植物が野生化して生物多様性などに様々な負の影響を与えるリスクがある. 商用植物が拡散しないために封じ込め(containment)を行う事が管理手段の一つとして考えられている.野生化した場合に与える負の影響の大きさや、封じ込めの効果などに関する情報に不確実性がある中でも、導入に関して政策決定を行わなくてはいけない.現在、オーストラリアなどでは商用植物の導入に関してAustralian Weed Risk Assessment modelが用いられているが、商業植物の経済的な価値や、封じ込めのコストや効果は考慮されていない.本研究では、これらを考慮に入れた商用植物の導入や封じ込めの実施に関する意思決定モデルを構築し、商用植物の導入の条件を明確化した.
主催:横浜国立大学グローバルCOE プログラム
「アジア視点の国際生態リスクマネジメント」
(生態リスクCOE)
◎連絡先:240-8501 横浜市保土ヶ谷区常盤台79-7
横浜国立大学環境情報研究院グローバルCOE(生態リスク) 担当:松田
電話/FAX:045-339-4497 E-mail:er-coe3@ynu.ac.jp