9月16日東大大海研「クロマグロ」研究集会お礼

Date: Sat, 17 Sep 2011 13:12:48 +0900
9月16日東大大海研「クロマグロ」研究集会 講演者、関係者の皆さん
 昨日はありがとうございました。
 最後に私が述べたことの一部【です】。ご意見がありましたら、この場か、ブログのコメントにていただければ幸いです。
 クロマグロ管理はこれからが大切です。今後ともよろしくお願いします。
 柏キャンパスは、特に水産関係者には少し遠いですが、大変快適でした。その後の懇親会も合わせ、たいへんお世話になりました。
 今年のワシントン条約で大西洋クロマグロの禁輸が否決されたとき、禁輸されてもされなくても、日本としては太平洋のクロマグロの管理を問題にすべきだと思いました。水産庁が否決の直後の5月11日にその対策を声明として出したのは、大変良かったと思います。その内容については、成魚2000トンという枠が現状追認になるという不満も聞かれました。しかし、クロマグロ資源は過去にも大きく変動したとみなされており、不確実性の高いものです。それに比べて将来予想の幅が小さく描かれていますが、本当はもっと大きいかもしれないと思いました。その中で、産卵親魚の保護が必要であることを説いたことは、国際資源管理機関の方針をさらに進めたものと評価できます。より少ない漁獲枠に規制するためには、もう少し根拠が必要です。来年の資源評価を待たねばならないでしょう。いきなり規制はできないでしょう。
 ピュー環境財団も、クロマグロ産卵場を保護するための海洋保護区(MPA)の設置を提案しています。1魚種の産卵期を保護するMPAという趣旨で、生物多様性条約COP10のときに、私もそれに賛成しました。
 このような事情の中で、WWFジャパンがその翌日の5月12日に、水産庁声明を褒めたことも、たいへんよかったと思います。
 10年前に比べて、水産庁の取り組みは隔世の感があります。以前は管理を進めるのには首を覚悟されていた。大いに期待しています。
 漁業と水産物は漁業者だけのものではなく、消費者も含めた管理が必要だという趣旨で企画しました。巻き網で獲ったマグロが安値で売られ、さらに安くなって獲らなくなったという事情など、市場や消費の事情も考えながら、管理を進めていくことが大切だということが、総合討論でもよくわかりました。
 巻き網は、安い膨大にいる青魚を大量にとることができる漁業で、高級魚をとるのには適さないと思います。マサバやマイワシなどの資源管理が成功し、これらのどれかが豊富にいるようになれば、漁業者もマグロを獲らなくて済むでしょう。
(以上)