国際対応の政府の窓口

Date: Sun, 4 Jul 2010 10:58:11 +0900
【外交の場では】環境省にせよ水産庁にせよ、政府を代表する立場として述べているのであり、それぞれの省益を主張しているものではありません。
 外国では、FAOでは農水省担当者、CITESやCBDでは環境省担当者が発言し、しかもあい矛盾することを述べていることがありますが、それこそおかしい。国として一貫した態度をとるほうが、私は正しいと思います。
 水産庁でも環境省でも、海洋関係の生物多様性についてはほぼ同じ有識者に助言を求める状況になりつつあります(まだ完全ではないが)。大事なことは発言の中身であり、誰が話すかではありません。
 ただし、以下の点は気になっています。
環境省レッドリストに海産生物が含まれていない。それを補完するものとして水産庁の水産生物データブックがあるが、これはレッドリストに統一すべきである。(そのときに、今まで水産データブックを作っていた人々が参画すればよい) 保護すべきものは水産対象種だけではない。
水産庁は知床世界遺産海域管理計画の著者から自ら水産庁を外してほしいと言いました(科学委員会議事録に残っているはずです)。それならば、自然公園の海域管理については環境省所轄であることを徹底させていただきたい。そのためには自然公園内の漁業権など、つめるべき部分がたくさんあるはずです。
・零細漁業を企業体漁業と区別し、前者は保護するという考えが世界標準化しつつある(単に先住民だけでない)と思います。日本における海洋保護区の定義とともに、零細漁業の定義を明確にする必要があります。そして、日本独自などというのはやめて、アジア諸国との共通点を重視する主張が世界を説得する上で必要でしょう。
鳥獣保護法については、アザラシが含まれ、トドが含まれない(水産庁)と分かれています。いずれ統一されるでしょう【】
ワシントン条約について、今年のクロマグロ水産庁は私たちにほとんど助言を求めませんでした。彼らは途上国説得に成功し、政治的に彼らは勝利した。しかし、その後のクロマグロの資源管理に積極的な姿勢を示しているのはよいと思います(私も、附属書IIのほうが望ましいと思いました)。3年前には、一部のサメや欧州ウナギの掲載に反対しないなど、水産庁の態度も少しずつだが変わりつつあります。