11/13 琵琶湖博物館「カワウ」シンポジウムの議論

Date: Mon, 7 Nov 2011 23:39:33 +0900
> ・【松田スライド】7枚目&22枚目「空気銃でプロが撃てばカワウはあまり逃げない」
>「本当に空気銃ではカワウはあまり逃げないのか?」
 そのため、「プロが撃てば」「あまり」逃げないとしました。あれだけ補殺してもまだ竹生島にいるのですから、文章として、間違ってはいないと思います。もちろん、打ち損じもあるようですから、「全く逃げない」わけでも、「誰が撃っても逃げない」わけでもないでしょう。

> ・9枚目:シカは「個体群が局所的」
 私自身は、滋賀県を繁殖地とする「個体群」を想定しています。しかし、移動率が高く、季節移動が広域に及ぶことは確かでしょう。この部分は、自らの分析の限界を述べたつもりです。(ありがとうございます)

> ・11枚目:「最適地から追い出されれば繁殖率は減るだろう」
餌があれば増えるということと、繁殖率に差がないことは別のことだと思います。竹生島は最適地だと私は思います。しかし、そこから追い出せば【個体数が】減るとは思っておりません。

Date: Thu, 10 Nov 2011 05:49:01 +0900
 まず、葛篭尾崎への移動がいつから始まり、本格化したのか、これはできるだけデータがほしいですね。
 空気銃は不可欠の道具だったと思います。(といっても、現場をみていないのですが)この認識が修正されるとすれば、カワウ被害対策事業だけでなく、シカも含めた野生動物のSharp Shootingの概念全体にかかわるでしょう。ただし、仰るように、誰が撃ってもよいということではないでしょう。十分条件ではない。
 個体群生態学の視点でカワウ問題を考えていただける方が増えてくれば、様々な【カワウによる被害対策事業の】解とその実現可能性が見えてくると思います。
 以前議論したように、【漁業被害対策ではなく、竹生島の森を守りたい】ならば水産課の仕事ではなくなるでしょう。水産課がこの問題にかかわるのは、漁業被害対策のためです。逆に、竹生島の自然が戻らないならば、森を守りたい人の事業ではなくなります。しかし、短期間にしては、森の回復の兆しも見えているのではないでしょうか。追い出せばさらに守れるかもしれませんが、竹生島の森にとって、カワウを0にする必要はないと私は思います。今の捕獲がいつまでうまくいくかはわかりませんが、今のところ、水産課の取り組みは、竹生島の森を守りたい人にとっても効果的な取り組みになっていると思います。
 空気銃による効果的な捕獲がなければ、両者の思惑は今でも対立していたかもしれません。【】
 もしも、水産課にとっての適正なカワウ個体数と、竹生島の森にとってのそれがかい離するならば、今後は思惑の違いが出てくるかもしれません。しかし、相互に別のことをやって、一方で竹生島に引きつけて他方が追い払うなど、双方の効果を消しあうようなことは税金の無駄です。そこは、互いの思いを理解しあい、話し合って全体の方針を決めて、それぞれの目的がほどほどにかなうことをするのがよいと思います。
 竹生島が【カワウにとって】最適の場所ならば、ある程度【竹生島の一部でカワウを引きつけ管理すること】が可能と思います。そして、竹生島の森のことだけを考えても、そのほうがよいかもしれません。周囲にたくさんいると、ずっと追い払い続けなくてはいけません。森林も【カワウが少しでもいるとだめになるほど】「やわ」ではないでしょう。ほどほどに獲っていれば、カワウと共存できると私は期待します。
 その辺は、より具体的なデータと皆様の知見を得てから、考えを進めたいと思います。
 当日よろしくお願いします。