Date: Fri, 9 Dec 2011 12:33:53 +0900
昨日、シンポジウム「海洋情報一元化に関する国際シンポジウム」が日本財団ビルで行われました。【】その席の要件2件をお知らせします。
私の発表で「水研水試の長期観測が打ち切られようとしている」と述べたところ、総合討論で【】その点に触れていただきました。【】長期観測の重要性はこの席では共有されたと思います。パネリストからは、そのデータのうち何がどう必要かを明確にする必要があり、水産だけのためのデータではないことも強調されました。日本EEZの生物多様性が世界一豊かだというCoMLのデータ解析の成果、漁業崩落説が最近Nature紙上で批判されていることも紹介しました。また、これらの使命が地方に移譲された際に、その重要性が伝わっていなかったという問題点も指摘されました。
たしかに、地方委譲が即廃止につながるとは限りません。しかし、長期データは1県だけが続けても価値をもつものではなく、大規模長期データがあって初めて成り立つものであり、その価値は県に帰属するというよりは、国や世界にとって重要なものだと思います。せめて、どの国家事業が地方に移譲され、その意義を周知しなければ、逼迫した県の財政の中で、県がその事業を国から引き継ぐことにはならないでしょう。
このような状況の中で、廃止ではなく地方委譲であり、後は県の判断であるから、国が廃止したというのは誤解であると言う役人や政治家は、国益を損なう結果を顧みず、誰も責任をとらねばそれでよいということになるでしょう。そのような人ばかりでは、日本の衰退を招くでしょう。【】この危機感の共有はありがたいことと思いました。